薔薇は夜明けの庭にひらく、
まだ名もない光をその身に受けて。
露は宝石のように震え、
ひとひらごとに祈りの色を宿す。
誰かの胸の奥で燃えつづける
言葉にならない愛のように、
その紅は静かに、しかし確かに
世界を染めてゆく。
けれど、茎に潜む棘は
やさしさの裏側にある刃。
触れようと伸ばした指先に
ためらいなく血をにじませる。
美しさとは、赦しではなく
選び取る覚悟のことだと、
薔薇は黙って教える。
抱きしめれば、痛みも抱くのだと。
やがて花弁は風に散り、
足もとに赤い記憶を残す。
それでもなお、次の季節に向け
枝はひそやかに力を蓄える。
感動とは、傷のない涙ではない。
残酷さを知りながら
それでも咲こうとする意思のこと。
薔薇は今日も、
血の色の朝焼けの中で
誇らしく、そして孤独に
その命をひらいている。
まだ名もない光をその身に受けて。
露は宝石のように震え、
ひとひらごとに祈りの色を宿す。
誰かの胸の奥で燃えつづける
言葉にならない愛のように、
その紅は静かに、しかし確かに
世界を染めてゆく。
けれど、茎に潜む棘は
やさしさの裏側にある刃。
触れようと伸ばした指先に
ためらいなく血をにじませる。
美しさとは、赦しではなく
選び取る覚悟のことだと、
薔薇は黙って教える。
抱きしめれば、痛みも抱くのだと。
やがて花弁は風に散り、
足もとに赤い記憶を残す。
それでもなお、次の季節に向け
枝はひそやかに力を蓄える。
感動とは、傷のない涙ではない。
残酷さを知りながら
それでも咲こうとする意思のこと。
薔薇は今日も、
血の色の朝焼けの中で
誇らしく、そして孤独に
その命をひらいている。