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400閲覧!【参加〆切】時を食う怪盗の僕は、素人だらけの部活に潜り込み、誰にも気づかれずに日々を駆け抜ける

#18

第十五話 祝祭の設計図

校内は文化祭準備一色だった。

廊下の掲示板には、
手書きのポスター。

模擬店、
演劇、
軽音ライブ。

その中に、
黒い文字。

『幻影遊戯部 ステージイリュージョンショー』

部室。

西紀が机にバンと手をつく。

「今年こそデカいことやろうぜ!」

宇宙が冷静に言う。

「去年はトランプと煙だけだった」

皐月がくすりと笑う。

「今年は“幻影”って名前に見合うもん、やりたいなぁ」

琉雨は机に伏したまま。

「…照明あれば八割は幻覚…」

葵が椅子を逆向きに座る。

「で、テーマは?」

一瞬の沈黙。

零が静かに口を開く。

「“怪盗伝説”はどうでしょう」

視線が集まる。

吹雪がペンを止める。

「具体的には?」

「正体不明の怪盗が現れ、舞台上の宝を奪う」

西紀が目を輝かせる。

「クロノス!?やるの!?」

部室の空気が少しだけ変わる。

クロノス。

この街で噂になっている、
正体不明の怪盗。

誰も正体を知らない。

部員も、
当然。

吹雪が慎重に言う。

「実在の未解決事件を扱うのは、倫理的に微妙では?」

零は穏やかに首を振る。

「“モデルは架空”と明記します。あくまで都市伝説」

葵が笑う。

「影だけ出すとかどう?顔見せないやつ」

宇宙が頷く。

「照明で輪郭だけ作れる」

皐月が指を鳴らす。

「ええやん。最後は金庫から煙出して消える、とか?」

西紀が興奮する。

「俺、ワイヤー担当する!」

吹雪がノートに書き込む。

『構成案
第一幕:幻影の導入
西紀のカードマジック
観客参加型トリック
↳伏線として“予告状”演出

第二幕:視覚錯誤の連鎖
宇宙の照明操作
皐月の箱脱出
↳琉雨の音響で緊張演出

第三幕:怪盗の影
舞台中央に金庫
カウントダウン
暗転
↳背景スクリーンに“怪盗の影”』

葵がにやりと笑う。

「クロノス、出てきたらウケるけどな」

西紀が笑う。

「そしたら本物だろ!」

軽い冗談。

誰も本気にしない。

吹雪がまとめる。

「重要なのは完成度。事故ゼロ。演出優先」

零は頷く。

「時間管理は僕がやります」

“時間”という言葉に、
誰も特別な意味を見出さない。

ただのスケジュール係。

窓の外では、
校庭にテントが立ち始めている。

平和な準備。

祭りの前の高揚。

誰も知らない。

この舞台が、
別の意味で注目されることを。


―同時刻・市内某所
視点は切り替わる。

人気のない作業場。

蛍光灯の下。

無機質な机。

黒い手袋をした人物が、
金属ケースを開く。

中には配線、
電子基板、
タイマー。

工具の乾いた音。

カチ、
カチ、
と規則的なリズム。

ノートパソコンの画面には、
学園祭の特設ページ。

スクロールが止まる。

“幻影遊戯部 ステージイリュージョン”

小さな笑い声。

「幻影、か」

起爆装置にコードが差し込まれる。

爆薬は少量。

目的は大量殺傷ではない。

“混乱”と“誘導”。

タイマーは遠隔操作式。

ディスプレイに表示される数字。

『00:30:00』

蓋が閉じられる。

静寂。

メール画面が開く。

『宛先:学園事務局

件名:

『文化祭ステージに爆弾を設置した』

本文は短い。

『怪盗が現れるなら止めてみろ』』

送信。

画面が暗くなる。

手袋の人物は椅子から立ち上がる。

「クロノス」

低い声。

「君は、来る」

照明が消える。

闇の中、
タイマーの待機ランプだけが小さく光っていた。

学園祭まで、
あと三週間。

祝祭の準備は進む。

幻影は磨かれる。

そして―

本物の“時間との勝負”が、

静かに、
始まろうとしていた。

作者メッセージ

よし!
ストックがもう切れる!

執筆頑張るぞ!

2026/02/20 06:29

コメント

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参加型怪盗異能力(?)一部笑いあり

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