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400閲覧!【参加〆切】時を食う怪盗の僕は、素人だらけの部活に潜り込み、誰にも気づかれずに日々を駆け抜ける

#14

第十一話 夏がほどける

終業式の日。

校舎は、
いつもより騒がしかった。

「夏休みぃぃぃ!!」

西紀が廊下で両手を広げる。

「俺バイト!海!花火!あとマジック練習!!」

「うるさい」

宇宙が冷たく言うが、
どこか機嫌は悪くない。

皐月は扇子で顔をあおぎながら笑う。

「ほな、みんな一旦解散やなぁ。宇宙、帰るで」

「はい、先輩」

琉雨は既に机に伏していた。

「…夏は眠りが深くなる季節…任務ないなら、ねる…」

吹雪は最後に全員を見渡す。

「各自、目立つ行動は控えてください。特に怪盗活動は―」

一瞬、
零を見る。

「自重を」

零は微笑む。

「夏は静かな方が好きですよ」

それは嘘ではない。

解散
校門前。

西紀が零の肩を叩く。

「レイ、たまには連絡しろよ?消えんなよ?」

「消えませんよ」

「いやお前わりと消えそうなんだって」

笑い合う。

その光景は、
普通の高校生だった。

疑念も、
怪盗も、
時間を喰らう影もない。

ただの夏。


零の家。

静かだ。

両親はいない。

広い家に、
時計の音だけが響く。

零は机に座り、
ニュースを流す。

違法流通。
資金洗浄。
裏オークション。

父の研究が狙われた理由。

まだ、
辿り着けていない。

窓を開ける。

生温い夜風。

ポケットには、
あのマスク。

夏休みは怪盗活動を控えると決めた。

疑念が消えた今、
動けば逆効果だ。

理屈は正しい。

けれど。

胸の奥が、
ざわつく。

そのとき。

速報テロップが流れる。

『美術品輸送車襲撃 未確認の高速犯行』

零の視線が止まる。

映像は荒い。

だが。

“異常な速さで警備が倒れた”

という証言。

零の呼吸がわずかに乱れる。

クロノスは、
動いていない。

少なくとも、
自分は。

では、
これは何だ?

模倣犯?

それとも―

誰かが、
時間に触れた?

テレビを消す。

部員には連絡しない。

まだ確証がない。

だが、
直感が告げる。

夏は、
静かに終わらない。

一方その頃
西紀は実家の自室でギターを弾いていた。

「あー、やっぱ夏って最高」

ニュースには気づかない。

宇宙は皐月の家に泊まり込み。

「先輩、麦茶どうぞ」

「ありがとなぁ」

平和。

琉雨は冷房の効いた部屋で寝言を言う。

「…侵入経路…右、左…」

吹雪は机に向かい、
事件記事を切り抜いている。

ペンが止まる。

「…クロノスは、動いていないはず」

ページを閉じる。

「では、誰が?」

屋上
零は再び立っていた。

夏の夜空。

星は多い。

だが、
どこか遠い。

ポケットからマスクを取り出す。

夏は休むはずだった。

仲間を巻き込まないために。

疑念を再燃させないために。

それでも。

もし。

時間を奪う者が、
他にいるなら。

それは。

放置できない。

零はマスクを見つめる。

そして。

ゆっくりと、
握りしめた。

「…時間は、奪うものじゃない」

静かに呟く。

「遊ぶものだ」

夏の夜風が吹く。

遠くで、
またサイレンが鳴った。

夏休みが始まる。

そして―

クロノスのいない街で、

時間が、
歪み始めていた。

作者メッセージ

季節外れの夏休み…

羨ましい!

ということで、新しい枠募集中です(ということで!?)

ではぁ!

2026/02/17 23:45

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参加型怪盗異能力(?)一部笑いあり

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