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400閲覧!【参加〆切】時を食う怪盗の僕は、素人だらけの部活に潜り込み、誰にも気づかれずに日々を駆け抜ける

#9

第八話 出遅れた一秒

部室。

重い沈黙。

西紀が机を叩く。

「また助けられた!!」

宇宙は腕を組む。

「事実」

吹雪は資料を並べている。

大学の包囲図。
警察の動線。
突入タイミング。

「不自然です」

静かな声。

皐月が聞く。

「何がや?」

「警察の動きが、あまりにも早い」

琉雨がココアを飲む。

「…事前情報」

「はい。内部リーク、もしくは我々の監視」

空気が冷える。

西紀が笑う。

「えー?じゃあ次はもっと派手にやる?」

宇宙が即座に言う。

「馬鹿」

皐月がまとめる。

「次は逆に警察を利用する」

ホワイトボードに書かれる。

【警察誘導作戦】

ターゲットは、
闇オークション中継倉庫。

「ここは確実に黒」

吹雪が言う。

「警察はマークしているが証拠不足」

琉雨が目を閉じたまま言う。

「……証拠、作る」

零は黙っている。

心の奥で理解している。

今回は―

危険だ。

夜。

倉庫地帯。

警察車両がすでに潜伏している。

幻影遊戯部は裏から侵入。

宇宙が監視を遮断。

西紀が陽動でドローンを飛ばす。

皐月が中枢へ。

零はバックアップ。

順調。

だが。

「待って」

吹雪の声。

「警察の動き、速すぎる」

次の瞬間。

サイレン。

ライトが一斉点灯。

「包囲完了!」

今度は完全封鎖。

逃げ道ゼロ。

倉庫内部の闇業者たちも混乱。

銃声。

「伏せろ!」

宇宙が皐月を引く。

西紀が叫ぶ。

「やばいやばいやばい!」

吹雪が必死に計算する。

「成功率…12%」

低い。

圧倒的に低い。

零は状況を見ている。

警察突入まで、
8秒。

闇業者が裏口へ逃走。

その先に―

―部員。


このままでは鉢合わせる。

撃たれる可能性。

零の思考が加速する。

行くべきか。

いや、今は部員。

だが―

その一瞬。

零は迷った。

クロノスとして動くか。

部員として残るか。

その“選択の一秒”。

銃声が近づく。

吹雪が叫ぶ。

「退路が塞がれます!」

そして。

倉庫の天井が、
砕けた。

轟音。

光。

月を背負った影が降り立つ。

「怪盗クロノス!!」

警官の怒号。

クロノスはワイヤーで闇業者を拘束。

銃を蹴り飛ばす。

警察の注意が完全にそちらへ向く。

時間が、
裂ける。

誰も追えない動き。

業者の証拠データを一瞬で抜き取る。

そして。

倉庫中央の金庫を開ける。

中から出てきたのは―

闇取引の資金。

「証拠はいただく」

低い声。

派手。

大胆。

完全に、
主役。

警察はクロノスへ集中。

その隙に。

皐月が小声で言う。

「今や、走れ!」

宇宙、
西紀、
吹雪、
琉雨が離脱。

零も走る。

倉庫裏。

全員無事。

その瞬間。

屋根の上からクロノスが跳ぶ。

資金を抱えたまま。

パトカーの間をすり抜け。

光と煙の中へ消える。

翌朝。

ニュース。

『怪盗クロノス、闇オークション壊滅に関与』

『違法資金消失』

『警察の包囲網を再び突破』

今度は英雄扱い。

世論が傾く。

“怪盗クロノスは悪なのか?”

部室。

西紀が叫ぶ。

「また助けられた!」

宇宙は黙る。

皐月は考え込む。

吹雪は、零を見る。

静かに。

「時巣さん」

「何」

「昨日、0.8秒」

零の鼓動がわずかに揺れる。

「何が」

「反応が遅れました」

空気が止まる。

「あなたなら、あの状況で即座に退路を指示できた」

優しい声。

でも、鋭い。

「まるで」

一拍。

「選択に迷ったようでした」

零は目を逸らさない。

「気のせいだ」

吹雪は微笑む。

「…かもしれません」

だが。

彼の瞳は確信に近づいている。

零は理解する。

完璧ではなかった。

あの一秒。

クロノスになるか否か。

その迷いが、

“時を食う怪盗”としての絶対性を崩した。

ほんの僅かに。

だが確実に。

夜は続く。

怪盗クロノスは無敵。

だが。

時巣零は―

少しだけ、

出遅れた。

作者メッセージ

見てくださってありがとうございます!

目指せ!今日のうちに200閲覧!


ということで、次回は番外編になります!(どこがということでだよ)

作者が零の過去を設定するときに作ったもので、かなり下手ですが…

まあ、お楽しみに!

2026/02/15 18:00

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参加型怪盗異能力(?)一部笑いあり

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