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400閲覧!【参加〆切】時を食う怪盗の僕は、素人だらけの部活に潜り込み、誰にも気づかれずに日々を駆け抜ける

#4

第三話 任務開始 ― 幻影、侵入

金曜、
深夜。

市立美術館。

閉館後の静寂は、
昼とは別の建物みたいだ。

照明は最小限。
警備は三層。

「…時間や」

皐月の声がイヤーピースから響く。

僕は黒い簡易装束に身を包み、
屋上の縁に立っていた。

隣に西紀。

「うっわテンション上がるわ~!」

声が明るい。

本気で楽しんでいる。

「静かに」

宇宙が低く言う。

「先輩の作戦だ」

その言葉だけで、
西紀は素直に口を閉じる。

下では、
琉雨が車内でモニターを見ている。

「…巡回警備、今右。三十秒後、死角」

眠そうな声。

でも正確。

「零くんは西紀と東口侵入や」

皐月の指示。

「まずは空調ダクトからやな」

頷く。

ロープ降下。

着地、
無音。

西紀が小声で笑う。

「零、動ききれいだよなー」

「普通」

空調ダクト。

狭い。

埃。

息を殺す。

前を進む西紀は、
意外と慎重だ。

雑に見えて、
身体操作は正確。

“実行派総長”の肩書きは伊達じゃない。

ダクト出口。

下は展示室。

目的は中央ケースの美術品。

違法取引で奪われた物を、
“回収”するのが今回の任務。

「…警報線、床三本」

琉雨の声。

赤外線。

僕は視線を走らせる。

反射角度。
センサー位置。
発信機の癖。

一瞬で把握。

「西紀先輩、二本目が不安定」

「え?」

「発信間隔が微妙にズレてる。通るなら今」

一秒。

間。

西紀は笑う。

「よっしゃ、行く!」

滑り込む。

成功。

「…合ってる」

琉雨が小さく呟く。

僕も続く。

無音。

無駄なし。

時間の隙間に入る感覚。

展示ケース前。

宇宙が合流。

「俺が解除する」

工具を出す。

精密。

冷静。

皐月が監視カメラをループさせる。

完璧な連携。

ケースが開く。

目的物―

深い蒼の宝石。

「回収」

西紀がそっと持ち上げる。

その瞬間。

―ピッ

小さな電子音。

全員が止まる。

琉雨の声が変わる。

「…想定外。追加センサー。熱感知」

宇宙が舌打ち。

「聞いてない」

皐月の声も低い。

「外周警備、増えとる」

足音。

複数。

予想より早い。

罠か。

西紀が小声で言う。

「…これ、やばくね?」

宇宙が前に出る。

「俺が陽動」

「待って」

僕は初めて、
少しだけ強く言った。

視線を走らせる。

天井。
換気口。
警備の動線。

五秒。

いや、
三秒でいい。

「左奥の展示壁、裏が空洞。そこ通れる」

全員が僕を見る。

「なんでわかる?」

西紀。

「音」

さっき足音が反響した。

壁の厚みが違う。

時間をかければ誰でも気づく。

でも今は時間がない。

「…行くで」

皐月の決断は早い。

壁パネルを外す。

狭い通路。

逃走経路変更。

背後で警備員の声。

「侵入者だ!」

ライトが走る。

緊張が走る。

でも。

まだ崩れていない。

僕は最後尾につく。

仲間の動きを確認。

焦りがある。

呼吸が乱れている。

このままだと―

捕まる可能性は、三割。

出口目前。

そのとき。

重いシャッター音。

前方封鎖。

宇宙が睨む。

「囲まれた」

琉雨の声が、
わずかに途切れる。

「…通信、妨害」

西紀が笑う。

無理に。

「はは、マジかよ」

皐月が低く言う。

「ここからが本番やな」

包囲。

逃げ場なし。

僕は静かに状況を計算する。

このままでは、

“部員として”の僕では、
突破できない。

まだ、
出すべきじゃない。

でも―

時間が、
足りない。

警備のライトが近づく。

足音が迫る。

西紀が小さく呟く。

「零、初任務でこれとかごめんな」

その言葉に、

ほんのわずか、
心が動く。

退屈じゃない。

本当に。

さて。

どうする。

作者メッセージ

はい、こんばんは、KanonLOVEです!

いやぁ、犯罪行為をやってる部活の活動、とうとう始まりました!(楽しそう)

ピンチの切り抜け方は次回にご期待ください!

では!

2026/02/13 23:45

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参加型怪盗異能力(?)一部笑いあり

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