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400閲覧!【参加〆切】時を食う怪盗の僕は、素人だらけの部活に潜り込み、誰にも気づかれずに日々を駆け抜ける

#3

第二話 表と裏の境界線

幻影遊戯部は、
思ったよりうるさい。

「俺?一三 西紀っつーの!細かいこととかいいから、とりあえず名前教えて?」

いきなり距離が近い。

栗色の髪を後ろで結んだ先輩。
校則ギリギリ、というか半分アウト。

目がやたらまっすぐだ。

「時巣零」

「よっしゃ零な!俺にーにーって呼ばれてる。好きに呼べ!」

距離感が速い。

この人は“考える前に動く”タイプだ。

「習うより慣れよだっけ?俺あれ好きなんだよね~。やっぱ事実確認って行動じゃん?」

そう言って、
トランプを空中に投げる。

キャッチ。

そのままシャッフル。

技術は高い。

雑に見えて、
正確だ。

「俺結構マジック路線!!怪盗も好きだけど!!ね!?」

怪盗。

またその単語。

偶然だろう。

ここはそういうコンセプトの部活だ。

部室の隅。

白銀のロングヘアが椅子から垂れている。

寝ている。

完全に。

「んぅ…ねむ…い…」

「琉雨総長、起きてください」

冷たい声。

青髪ウルフの一年。

鋭い目。

「副部長の宇宙や」

皐月が紹介する。

宇宙は零を見る。

値踏み。

「…新入りか」

「そうや」

「先輩が決めたならいい」

態度が急変する。

皐月のほうを見る目だけ、
犬。

「先輩!俺のこと捨てないですよね?」

「捨てへん捨てへん」

宇宙は満足そうにうなずく。

わかりやすい。

そのとき。

「…むにゃ」

琉雨が目を閉じたまま口を開く。

「三日後の学園祭ステージ…照明トラブル…左スイッチ、予備回路、赤」

沈黙。

西紀が目を輝かせる。

「うおおお当たってたやつじゃんそれ!!」

「…任務は遂行するよ」

寝ているのに圧がある。

この人が“計画派総長”。

部活は、

実行派総長・西紀
計画派総長・琉雨

の二枚看板らしい。

なるほど。

役割分担はできている。

健全だ。

あくまで。

その日の活動は普通だった。

ステージマジックの練習。

観客をどう驚かせるか。

視線誘導。

照明タイミング。

西紀は動く。
琉雨は考える。
宇宙は皐月の指示を正確に実行。

完成度は高い。

“遊び”にしては。

帰り際。

葵が言う。

「零、どう?楽しいでしょ?」

「普通」

でも。

悪くはない。

時間が、
少しだけ早く進んだ気がした。


[水平線]
夜。

僕は忘れ物を取りに、
部室へ戻った。

灯りがついている。

遅いな。

ドアの隙間から声が聞こえる。

西紀の声。

「で?次のターゲットどこ?」

…ターゲット?

琉雨の声。

「…市立美術館。警備は三層。侵入は右、左、左…むにゃ」

宇宙。

「俺が陽動します。先輩は中央ルートで」

皐月。

「派手にいこか」

空気が違う。

昼とは。

声のトーンが低い。

真剣。

遊びじゃない。

「今回は“回収”や。盗みやない」

皐月が続ける。

「奪われたもんを、奪い返す」

西紀が笑う。

「表面上のビジネスとかクソだよな。俺らは俺らのやり方でやろうぜ」

琉雨。

「…任務、開始は金曜深夜」

沈黙。

僕の鼓動が、
静かに一定になる。

理解した。

この部活は、

ただのマジック部じゃない。

“怪盗”をやっている。

本物を。

「…そこにおるんやろ」

皐月の声。

ドア越しに。

逃げる意味はない。

僕は扉を開けた。

四人の視線が集まる。

宇宙が睨む。

「聞いたか」

「聞いた」

皐月は、
ゆっくり笑った。

「零くん」

その目は、
昼とは違う。

「君、どっち側や?」

表か。

裏か。

時間が一瞬、
止まったように感じる。

僕は静かに答える。

「…面白そうだね」

西紀が笑う。

「よっしゃ!!」

琉雨がうっすら目を開く。

「…適性、あり」

宇宙が小さくつぶやく。

「先輩の選択は正しい」

皐月が手を差し出す。

「歓迎するで。幻影遊戯部―本当の意味でな」

その手を見つめながら、

僕は思った。

なるほど。

退屈じゃない。

本当に。

時間が、
少し早くなった気がした。

作者メッセージ

はい、寝過ごしてしまって投稿が遅れました、すみません。

まぁ、セーフだよね(?)

いやぁ、物語に出てくる人たち、ちょっと犯罪に手ぇ出さないか、心配です(話逸らす)

とりあえず、次回もお楽しみにぃ!
犯行をする予定です!

2026/02/13 18:44

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参加型怪盗異能力(?)一部笑いあり

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