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完結しました【参加〆切】あなたは何の宝石ですか?話を聞かせてください。

#13

光と影の間を歩く

風は今日も、
森を抜けて、
草木の隙間を縫うように吹き抜ける。
私はその風に乗り、
歩く。

足元の小石や落ち葉を踏む音も、
木々のざわめきも、
すべてが静かな交響曲のように胸に届く。

―ここは、
かつて私が一人で歩いた道だ。

あの頃の私は、
まだ何も知らなかった。

まだ、
自分の魔法の意味を知らず、
宝石の輝きも、
守るべきものも、
理解できていなかった。

ただ、
風に背を押されるようにして、
ひたすら歩いた。

その歩みの中で、
喜びも、
悲しみも、
孤独も、
少しずつ心に積もった。

記憶は断片的で、
時折、
夜空の星の中に映し出される。

私の名前すら、
まだ誰かに呼ばれたことは少なかった。

だけど、
風が教えてくれた。
「道は必ず、未来へ続いている」と。

私は誰かに頼ることを知らず、
誰かの助けを受けることも、
求めることも、
怖かった。

魔法は使えたけれど、
それが正しいことなのか、
世界を救えることなのか、
私は知らなかった。

時折、
自分の力に触れるたび、
胸の奥がざわついた。

―それは、
喜びでも、
恐怖でもなく、
ただ私自身を問い続ける声だった。

あの頃、
私はたくさんのものを失った。
友を、
笑顔を、
そして、
自分を信じる力さえ。

それでも私は歩いた。

誰かのためではない。
誰かの期待のためでもない。

ただ、
私がここにいるという証を、
世界に残すために。

そして、
歩くことの意味を知ったのはずっと後になってからだった。

[大文字][明朝体][太字]孤独の中で気づいたのだ。
光も、
影も、
すべてが自分自身であり、
そのすべてを抱えたまま歩くことこそ、
真の強さなのだと。[/太字][/明朝体][/大文字]

風は私を知っている。
私の迷いも、
恐れも、
希望も、
すべてを。

そして、
私が立ち止まった時、
そっと背中を押してくれる。
「行け」とも、「止まれ」とも言わず、
ただ寄り添うように。

私は魔女として、
今もこうして歩いている。
守護者たちの道は、
私の手の届かないところにある。

でも、それでいい。

私は見守るだけで、
彼らの光が失われないことを信じられるから。

夜になると、
月の光が森の隙間から差し込む。

その光は、
過去の私を映す鏡のようだ。

あの頃、
怖くて一歩も踏み出せなかった自分。
その自分と、
今の私が、
静かに手を取り合う。

―私はまだ、迷っている。

時には面倒くさいと思うこともあるし、
立ち止まりたくなることもある。

でも、あの風が教えてくれた。
歩き続けること、その意味を。

だから私は、
今日も歩く。

静かに、
確かに、
過去の自分と未来の自分を抱きしめながら。

道はまだ続く。
答えはまだ見えなくても、
歩き続ける限り、
必ず光は見つかるのだと、
私は知っている。

風が再び吹き抜ける。
それは、
かつての私に寄り添った風であり、
今の私を導く風でもある。

静かに、
確かに。


私は歩く。


誰かのためではなく、
ただ、
自分のために。

作者メッセージ

この物語は、魔女の歩みと迷いを描いたものです。
守護者たちの輝きとは違い、魔女の旅は静かで、時に立ち止まり、時に迷い、そしてゆっくりと進んでいきます。
過去の後悔や、忘れられた記憶、答えの見えない道――それらすべてを抱えながら、魔女は自分自身の色を探し続けます。

人生もまた、答えの見えない旅のようなものです。
迷うことは弱さではなく、選び続ける力の証です。
立ち止まり、悩み、時には涙を流しながら、それでも進むことが光になるのだと思います。

どうか、この物語の魔女と共に歩む時間が、あなたの心にそっと届きますように。
迷いの中でも、自分自身の色を信じられますように。
そして、風の囁きがあなたの背を押し、光の導きがあなたの道を照らすように――
静かな勇気と希望のご加護がありますように。

2026/02/12 00:00

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