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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#20

第三部 第一話 予定外の光

それは、
本当に、
急だった。

本編の合間。
転換のための、
ただの“繋ぎ”。

そう思われていた時間に―
照明が、
突然落ちた。

「…え?」

客席がざわつく。
スタッフも、
一瞬だけ動きを止める。

次の瞬間。

銀灰色の光が、
一点に集まった。

星が、
生まれるみたいに。

ステージ中央。

そこに立っていたのは、
天ノ川 終。

アナウンスは、
ない。
名前すら、
呼ばれない。

なのに。

誰も、
目を逸らせなかった。

白髪がライトを弾き、
深い夜色の瞳が、
静かに客席をなぞる。

「…」

マイクを上げる前に、
もう“支配”は始まっていた。

音。

低く、
深く、
床を伝うような一音。


囁くような低音。

「終わりは
静かに
始まる」

それだけで、
空気が張り詰める。

終は、
動かない。

—いや、
止まっていること自体が、
振り付けだった。

指先が、
わずかに動く。

照明が、
追う。


音が跳ねる。

一気に高音へ。
無理がない。
助走もない。

最初から、
そこに届く声。

五オクターブを跨ぐ旋律が、
技じゃなく、
感情として落ちてくる。

客席の誰かが、
息を呑む。

—音に、逃げ場がない。

終は、
一歩、前へ。

コンテンポラリーの動き。
滑らかで、計算されていて、
どこか残酷。

足を止める。

視線だけで、
会場を“固定”する。


「期待される結末ほど
つまらないものはないだろ?」

その一言が、
刃みたいに刺さる。

間奏。

音が、
消える。

完全な、
無音。

終は、
マイクを下ろし、
客席を見渡した。

「…黙ってて」

小さな声。
でも、
逆らえる人はいない。

次の瞬間。

音が、
爆発する。

シャウト。
デスボ。

—この見た目から出るとは思えない、
荒く、
鋭い声。

会場が、
揺れる。


ラスト。

高音が、
細く、長く、
夜空に溶ける。

終は、
最後に一度だけ、
笑った。

「成功?」

肩をすくめる。

「当然でしょ」

音が、
止まる。

一拍。

そして。

遅れて、
理解が追いついた拍手が起きる。

悲鳴。
歓声。
名前を呼ぶ声。

終は、
それを背に受けながら、
深くは礼をしない。

ただ、
軽く手を振る。

「じゃ」

それだけ。

照明が落ちる。

ステージは、
空になる。

説明は、ない。
理由も、ない。
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作者メッセージ

だんだんストックが…

ということで投稿頻度が下がりそう☆

他の参加型作品も頑張ろう…

2026/02/07 18:00

コメント

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歌い手研修生から参加型

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