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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#18

第二部 最終話 管理人の記録

夜の事務室は、
音がない。

モニターの光だけが、
机を照らしている。

今日のレッスン記録。

歌唱評価。
ダンス配置。
集中力の推移。

私は、
ペンを置いた。

……分かっている。

三人とも、
まだ足りない。

だが。

「……それでも」

誰に聞かせるでもなく、
小さく息を吐く。

神谷 ゆめ
中心に立つ素質は、
確かにある。

声も、
立ち姿も。

だが――

「守ろうとするな」

何度、
心の中で言っただろう。

主役が盾になった瞬間、
舞台は崩れる。

それを、
私は知っている。

知りすぎている。

如月
嘘は、
才能だ。

だが、
深さが足りない。

中途半端な虚構は、
自分を守れない。

――それも。

私は、
知っている。

仰凪 みんと
身体は、
誰よりも正直だ。

だからこそ、
止まった時が危うい。

踊れない瞬間、
自分の価値を見失う。

……それもまた。

私は、
痛いほど。

椅子に深く座り、
天井を見る。

昔の話は、
しないと決めている。

ここでは、
管理人だ。

名前も、
過去も。

出す必要はない。

「……奏と戒に任せたのは、
正解だ」

あの二人は、
“壊し方”を知っている。

優しさを、
逃げ道にしない。

それでいい。

私は、
それ以上踏み込まない。

踏み込めば、
“選べなくなる”。

机の端に置いた、
古い鍵。

使うことのない、
控室の鍵。

触れない。

触れないと、
決めている。

モニターに、
次のスケジュールが映る。

――第三部準備。

選抜。
再配置。
舞台形式変更。

一人、
落ちる可能性。

「……ここからだ」

静かに。

第二部は、
“並ばせた”。

第三部は、
“選ぶ”。

それだけ。

立ち上がり、
照明を落とす。

ドアの前で、
一度だけ足を止める。

あの三人の顔が、
浮かぶ。

「……乗り越えろ」

声には、
出さない。

出さないから、
管理人でいられる。

灯りを消す。

夜が、
すべてを包む。

――第二部、完。
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作者メッセージ

次回、第三部始動!

ぜひお楽しみにぃ


あ、あと、今参加募集中!

出来たら来てね!

2026/02/06 18:03

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