文字サイズ変更

900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#11

第二部 第二話 お披露目会・終了後

ステージを降りた瞬間、
足の力が一気に抜けた。

…終わった。

ライトも、
拍手も、
まだ耳の奥で鳴っている。

「はぁ…」

みんとが、
思いきり息を吐く。

「生きてる…?」

「…多分」

如月は、
どこか楽しそうにそう言った。

その時。

ざわ、
とスタッフの動きが一瞬だけ変わる。

「…来た?」

誰かが、
小さく言った。

次の瞬間、
空気が変わる。

カツ、
カツ、
と―下駄の音。

「お疲れさま」

落ち着いた、
やわらかい声。

振り向くと、
そこにいたのは―

朱色。

黒のさらさらなロングに、
朱のメッシュ。
膝近くまである三つ編みが、
ゆっくり揺れている。

「…十朱、みや」

思わず、
声に出てしまった。

現役偶像。
歌い手グループの“顔”。

「ふふ。そんなに身構えなくていいよ」

十朱みやは、
穏やかに微笑んだ。

「今日は、
いいお披露目だった。

三人とも、
ちゃんと立ててた」

それだけ。

評価でも、
助言でもない。

ただ、
事実みたいに。

「…ありがとうございます」

うちが頭を下げると、
みやさんは、少しだけ慌てた。

「あ、いや、
そこまでかしこまられると
僕がドジったみたいになるから…」

そう言って、
裾を踏みかけて、
一瞬ふらっとする。

「っ…」

「だ、大丈夫!?」

「だいじょぶ、だいじょぶ…たぶん」

完璧で、
でも少し抜けている。

それだけで、
“本物だ”って分かる。

そして。

「いや〜!!」

今度は、
全然違う温度の声。

「若い!眩しい!
フレッシュって罪〜!!」

振り向くと、
そこには―

太陽みたいな存在。

長身で、
黄色がよく似合う。

絢香奇 麗。

「カメラさぁ、
こっちにも来てるでしょ?」

案の定、
一気に増えるフラッシュ。

「今日さ、
本当はもう一人来る予定だったんだけど」

麗が、
親指で後ろを指す。

「仕事立て込んでてね〜
“代わりによろしく”だってさ」

それでも。

みやさんと、
麗さんだけで―
カメラは十分すぎるほど向けられていた。

「で」

麗が、
三人を見る。

「君たちが、
今年の“並べられた子たち”ね?」

軽い。
でも、
全部見抜いてる目。

「ま、難しく考えなくていいよ」

ぽん、と
軽く手を叩く。

「今日は、
ちゃんと“世に出た”。

それだけで、
百点!」

「これから先?」

肩をすくめて、
笑う。

「地獄も天国もあるけど

―楽しいよ」

それだけ言って、
ひらひらと手を振る。

「じゃ、
主役は忙しいでしょ?」

「またね、Aster Code!」

みやさんも、
小さく頷いた。

「無理しすぎないで」

「声は、
 大事に」

二人は、
スタッフとカメラに囲まれながら、
その場を離れていく。

残された三人。

「…すごかったね」

みんとが、
ぽつりと言う。

「…うん」

如月は、
少しだけ笑った。

「でも」

「ちゃんと、
見られてましたね」

うちは、
拳をぎゅっと握る。

見られた。

―もう、
戻れない。

でも。

それでいい。

Aster Codeとしての一歩は、
確かに、
踏み出せていた。
ページ選択

作者メッセージ

この後の公開で、
歌やダンス等が見られるよぉ!

報告は以上です!

2026/02/02 18:00

コメント

この小説につけられたタグ

歌い手研修生から参加型

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はKanonLOVE しばらく活動休止中さんに帰属します

TOP