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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#10

第二部 第一話 お披露目会

控室の鏡に映る自分は、
いつもより少しだけ、
よそ行きの顔をしていた。

水色の衣装。
いつものうち、だけど―
もう、
ただの研修生じゃない。

「…大丈夫?」

みんとが、
こちらを覗き込む。

「う、うん」

本当は、
大丈夫じゃない。

如月は、
少し離れたところで、
腕を組んだまま壁にもたれている。

その表情は読めない。
でも、
知っている。

―今日、何が起こるのか。

管理人さんから、
事前に伝えられていた。

三人で、
ユニットを組むこと。

それが、
このお披露目会の“前提”。

ランダムでも、
試しでもない。

「今年は、
最初から“並べる”」

そう言われた時、
うちは、
返事ができなかった。

スタッフの合図。

「行きます」

幕の向こうから、
ざわめきと光が流れ込む。

ステージに出た瞬間、
視界が白くなる。

…人、こんなに。

客席。
カメラ。
配信ランプ。

声を出す前に、
見られている。

司会の声が響く。

「本日は、
新たに選ばれた歌い手たちの
お披露目会へようこそ」

拍手。

胸が、
きゅっと鳴る。

「まずご紹介するのは、
今回の制度の中でも、
最初からユニットとして
育成されてきた三名です」

―来た。

名前が呼ばれる。

神谷ゆめ。
仰凪みんと。
如月。

三人で、
一歩前へ。

ライトが、
真正面から当たる。

「彼女たちは、
それぞれ異なる個性と武器を持ちながら、
一つの声として
世に出ることを選びました」

司会が、
少しだけ間を置く。

「ユニット名は―」

息を止める。

「『Aster Code(アスター・コード)』」

その瞬間、
背中に、
何かが落ちた気がした。

アスター。
花言葉は、
“信じる心”。

コード。
声、旋律、
繋がり。

…名前、もう背負ってるんだ。

「透明な高音と低音を併せ持つ声。
身体能力に裏打ちされた表現力。
人を惹きつけ、物語を作る存在感。

三人でなければ成立しない、
ユニットです」

拍手が、
一段大きくなる。

みんとが、
緊張したまま笑う。

如月は、
観客席を見渡し、
ほんの少しだけ、
目を細めた。

うちは―
前を見て、
頭を下げる。

「…神谷ゆめです」

声は、
震えていなかった。

「Aster Codeとして、
歌います」

隣で、
みんとが続く。

如月も、
短く、
でもはっきりと名乗った。

三人並んで、
ステージに立つ。

個人名より先に、
ユニット名が知られる。

それは、
守られている証でもあり―
逃げられない証でもある。

ここからは、
一人じゃない。

でも。

…一人じゃ、
いられない。

光の中で、
「Aster Code」は、
初めて世間に名前を刻んだ。

まだ、
何者でもないまま。

でも確かに、
始まってしまった。
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作者メッセージ

えーっとですね、
ストック用でためていたため、
作者が勝手に三人のユニット名は考えてしまいました。
すみません…。

2026/02/02 00:00

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歌い手研修生から参加型

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