文字サイズ変更

900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#8

第一部 最終話 説明会前日

夜の廊下は、
昼とは別の顔をしている。

足音が、
自分のものしかない。

…静かね。

合格者たちは、
それぞれの部屋で、
きっと眠れずにいるだろう。

期待。
不安。
高揚。

…そして、
後悔の芽。

私は、
説明会用の資料を机に並べる。

枚数は、
多くない。
だが、
どれも軽い内容ではない。

ここで、何人が消えるか。

毎回、
それは分からない。

才能があっても、
残れない者はいる。

才能がなくても、
残る者もいる。

…昔から、そう。

一枚、
古い紙が混じっている。

捨て忘れたメモ。

端が、
少し折れている。

私は、
それを裏返し、
そっと引き出しに戻した。

…懐かしむには、
まだ早い。

あの子たち―
神谷ゆめ。

声を守る歌い方。

仰凪みんと。

動き続けなければ、
音を失うタイプ。

如月。

…危うい。

あの子は、
一番、
こちら側に近い。

近すぎるのは、
良くない。

説明会で話すことは、
すべて決まっている。

夢の話は、
しない。
成功の話も、
しない。

話すのは―
失うもの。

時間。
自由。
声。
人間関係。

それでも、
進むかどうか。

…それを、選ばせる。

私は、
ペンを置いた。

窓に、
自分の影が映る。

昔より、
ずいぶん落ち着いた顔。

…声は。


喉に、
違和感はない。

もう、
無理をする必要はない。

それでも。

説明会で、
あの子たちが
こちらを見る目を想像すると―
胸の奥が、
少しだけ、
痛む。

同じ目を、
していた。

かつて。

何も知らず、
それでも歌うと決めた日。

私は、
電気を消す。

「…さあ」

小さく、
独り言。

「覚悟を、見せてもらいましょう」

説明会は、
明日ではない。

“後日”。

だからこそ。

逃げる時間も、
考える時間も、
与える。

それでも来るなら―

私は、
扉を閉めた。

あの子たちを、
舞台に立たせるために。

そして。

二度と、
声を失わせないために。



〈第一部 歌い手になりたくて 完〉
ページ選択

作者メッセージ

第一部終わりました!

みなさん本当にありがとうございました!

さて、
歌い手グループの名前が決まりました…。

この歌い手グループの名前は、
colorful jewelry 【カラジュエ】
になりました!
久夜永廻様、ありがとうございます!

他に参加していただいた皆様のものも、
他のユニットグループで使わせていただきます、
どうぞ楽しみにしていてください!

(組んでいるものはあらすじから見れます)

2026/02/01 00:01

コメント

この小説につけられたタグ

歌い手研修生から参加型

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はKanonLOVE しばらく活動休止中さんに帰属します

TOP