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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#14

第二部 第五話 黄、すべてを照らす

朱が去ったあとのステージは、
一度、
完全に“更地”になった。

さっきまで確かに存在していた熱も、
朱色の余韻も、
全部、
静かに剥がされていく。

観客は知っている。
次が何かを。

司会が、
少しだけ声を張る。

「―続いては」

一拍。

「偶像、
絢香奇 麗」

その瞬間。

―空気が、笑った。

悲鳴に近い歓声。
手拍子。
名前を呼ぶ声。

「うららー!!」
「太陽ー!!」
「来たぞおお!!」

照明が落ちる間もない。

最初から、
明るい。

黄色。
いや、
昼。

夜の会場に、
無理やり太陽をねじ込んだみたいな光。

ドン、
と重低音。

そして―

「今日も輝いてる〜?」

マイクを持った瞬間、
会場が返事をする。

「「うらら様〜!!!」」

その時点で、
もう“完成している”。

麗は、
笑っている。
いつも通り。
でも―

目だけが、
完全に“狩る側”だ。

「よしよし、声出てるね!」

軽く肩を回す。
それだけで、
長い脚がしなる。

「じゃあさ」

一拍。

「太陽、落とすよ?」

―音が、爆ぜた。

ギター。
ドラム。
シンセ。

速い。
重い。
でも、明るい。

♪「息を吸って 吐いて
それだけで 偉いってさ
誰が決めた?
―私だよ!」♪

最初の一声。

太い。

可愛い声?
そんなカテゴリ、
最初から無い。

腹の底から、
空気を殴る声。

麗は、
走る。

ステージを、
端から端まで。

♪「迷っていい!
止まっていい!
でもさ―
腐るのは、ダメ!」♪

ジャンプ。

高すぎる。

着地と同時に、
回転。

身体全体で、
音を刻む。

―ダンスが、歌を引っ張ってる。

シャウト。

♪「聞こえてるかー!!」♪

「「うおおおおお!!!」」

レスポンスを前提にした構成。
観客が、
パーツになっている。

次の瞬間。

―声が、変わる。

♪「壊れそうな夜も
ちゃんと朝は来るんだよ」♪

一瞬だけ、
柔らかい。

でも、
甘くしない。

「―だから」

マイクを下げる。

次。

デスボイス。

♪「泣きたいなら
私の光で
全部、焼いていけ!!」♪

空気が、
震える。

床が、
揺れる。

恐怖すら、
楽しい。

如月が、
袖で息を止めている。

…理屈じゃない。

ゆめは、
無意識に拳を握っていた。

…あれは。

歌でも、
ダンスでも、

生き方だ。

♪「負けたっていい
転んだっていい
それ全部
―経験値!!」♪

麗は、
笑っている。

汗だくで、
息も荒い。

でも、
止まらない。

♪「太陽はさ
沈んでも
消えないんだよ」♪

最後。

マイクを、
客席に向ける。

「いくよ!!」

♪「―私は、ここにいる!!」♪

音、
停止。

一瞬の無音。

次の瞬間。

爆発。

拍手。
叫び。
泣き声。

会場が、
“昼”のまま終わる。

麗は、
深く一礼。

そして、笑う。

「ありがと!」

それだけ。

袖に戻る途中。

Aster Codeを見る。

立ち止まらない。
でも―

一瞬だけ、
目が合う。

(置いていくよ?

追いつきたいなら、
命ごと来な)

そう言われた気がした。

去っていく背中。

朱は、
到達点だった。
黄は、
現在進行形の暴力だった。

如月が、
ぽつりと呟く。

「…あれが」

「“偶像”ですか」

みんとは、
言葉を失っている。

ゆめは、
小さく息を吸った。

…でも。

それでも。

歌いたい。

格の差は、
はっきりしていた。

でも同時に―

道も、
はっきり見えた。

太陽は、
遠い。

だからこそ。

追いかける意味が、
あった。
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作者メッセージ

昨日(あ、今日かw)投稿できなくてすみませんでした…

夜の投稿が出来たら詳しく書かせていただきます…

2026/02/04 18:05

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歌い手研修生から参加型

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