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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#6

第一部 第五話 採点室にて

深夜。

研修棟の最上階。
ここまで上がってくる研修生はいない。

静かすぎる部屋で、
私は答案用紙を一枚ずつ揃える。

…久しぶりだ。

この感じ。

紙の匂い。
インクの乾ききらない文字。
震えた跡。

あの頃も、そうだった。

―いや。

考えるのは、
やめよう。

私は、
[太字][大文字]今[/大文字][/太字]を見る立場だ。

神谷ゆめ
文字を追いながら、
自然と呼吸が浅くなる。

…この書き方。

無意識に、
声を守ってきた子の癖。

技術の話をしない。
でも、
声の扱いだけは丁寧。

壊れるまで歌ったことが、
一度はある。

それでも、
まだ歌うのをやめていない。

…強い子ね。

評価欄に、
短く、
でも慎重に書く。

「声を[太字]消耗品[/太字]にしていない」

これは、
痛い目を見ないと
普通は辿り着かない感覚だ。

仰凪みんと
消し跡。

何度も迷った跡。

…舞台で迷わない子ほど、
紙の上では迷う。

リズムで生きてきたタイプ。

言葉は、
後から追いついてくる。

この子は、
―止まると壊れる。

動き続ける場所を
与え続けなければならない。

私は、
評価欄に書く。

[大文字][明朝体]「走らせる価値あり」
[/明朝体][/大文字]
それだけで、
十分だ。

そして。

如月
…この紙は、
触った瞬間に分かる。

―慣れている。

書かれることにも、
見られることにも。

整いすぎた文章。
美しい構成。

―昔、
こういう書き方をする子がいた。

―違う。

正確には。

私が、
―そうだった。

一行目で、
“安全な正解”を置く。

二行目で、
見る側の感情を掴む。

三行目で、
余白を残す。

…完璧だ。

だからこそ。

第二問。

「声とは何か」

[太字][明朝体][斜体]―嘘をつくための道具であり、
―嘘をつけなくなる場所。[/斜体][/明朝体][/太字]

私は、
そこから先を、
何度も読み返す。

…痛いほど、分かる。

声は、
嘘をつけなくなる。

ステージの上では、
特に。

だから、
この子は怖い。

自分の本音を、
歌に乗せた瞬間―
もう、
戻れない。

それを、
無意識に避けている。

評価欄に、
私は一度ペンを置き、
少しだけ目を閉じた。

覚悟が決まった瞬間の痛みを、
この子は、まだ知らない。

そして、
静かに書く。

[太字][大文字]「才能は突出。
だが、声に身を預けきれていない」[/大文字][/太字]

全ての紙を閉じる。

時計は、
深夜二時を回っている。

―…もし。

もし、
この子達が
あの頃の私の前に立っていたら。

―いいえ。

考えない。

私は、
管理人だ。

導く側で、
選ぶ側で、
そして―
“残る側”だ。

電気を消す前、
一瞬だけ、
窓に映る自分を見る。

…まだ、
声は残ってる。

それだけで、
十分だ。

私は、
部屋を出た。

結果は、
まだ出さない。

もう少しだけ。

―声が、
彼女たちを裏切らないか。

それを、
見届けるために。
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作者メッセージ

う、歌い手になりますから!
必ず!

歌い手出マスカラ!
歌い手たちはちょっと遅くなるかもだけど…。

ま、楽しみにしていてください(丸投)


(ちょっと前にあった追補の字は自分が思っていたのと意味が違ったため消しました)

2026/01/31 00:17

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歌い手研修生から参加型

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