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最終投稿プレビュー

チャイムの余韻が教室の天井に溶けていく。
椅子を引く音、
鞄のファスナー、
笑い声。
日常の雑音が一斉に戻ってくる中で、
私だけが少し遅れて立ち上がった。

ノートは机の中にある。確かにしまった。
それなのに、
胸の奥で何かが[大文字]「まだ終わっていない」[/大文字]と囁いていた。

廊下に出ると、
窓から差し込む光の角度が
、ほんのわずかにずれて見えた。
影が伸びる速度、
人の歩幅、
遠くから聞こえる運動部の掛け声。

そのすべてが、
以前よりも[大文字]“測れてしまう”[/大文字]気がする。
数値にできるという意味ではない。
関係として、
構造として、
理解できてしまう感覚だ。

私はふと立ち止まり、
ポケットの上から例のメモを指で押さえた。
紙の感触が、
確かにそこにある。

[大文字][斜体][斜体]―理解は、完成ではない。
―更新だ。[/斜体][/斜体][/大文字]

誰の声でもない考えが、
自然と浮かんだ。

放課後、
誰もいない教室に戻る。
窓際の席に座り、ノートを開く。
あの[太字]∞[/太字]の落書きは、
まだそこにあった。
だが、
よく見ると線の重なり方が微妙に違う。
一本の連続した線ではなく、
二つの円が、
ほんの一点だけで交わっているように見えた。

私はペンを取る。
足りないのは勇気でも知識でもない。
ただ、
問いかけだ。

∞の隣に、
小さく点を打つ。
さらに、
その点から円へ細い矢印を引く。

その瞬間、
教室の空気がわずかに揺れた。
風が吹いたわけでも、
音がしたわけでもない。
ただ、“意味”が動いたのが分かった。

ノートの端に、
見覚えのない文字が現れる。
私の字ではない。

けれど、読める。

―「観測者が関係に含まれたとき、世界は閉じない」

思わず息を止める。
これは警告だろうか。
それとも、
招待状だろうか。

窓の外を見ると、
夕暮れが始まっていた。
空は昼でも夜でもない色をしていて、
太陽と月が、同時に存在している。
矛盾しているはずなのに、
不思議と自然だった。

世界は、
どちらかを選ばなくてもいい。
両立できる構造が、
最初から用意されている。

その理解が、
静かに胸に落ちる。

リレー小説「芥無さんとのリレー! 数学の時間にメモを見つけたら私の世界は逆転した」

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