義兄弟と双子
#1
その日は突然に
「おーい、来栖ぅ〜?ほら起きぃ、もう仕事行かんといけんやろ?」
苦笑いしながらもそう言って布団を揺さぶる着物姿の麗しい女神のような…男。
「うーん…後5分…ですわ…」
むにゃむにゃとまだ半分夢の中にいる黒髪の天使のような可憐な…男。
女神のような男…[太字][漢字]上崎久[/漢字][ふりがな]うえざきひさし[/ふりがな][/太字]が布団を引っぺがすと来栖が棒読みの悲鳴を上げながらゆっくりと起き上がる。
立ち上がり、フラフラと時々壁にぶつかりながら、来栖はリビングへと向かった。
それにため息をつきながら久は来栖の後についていく。
リビングの窓の近くのテーブルには、素朴な和食と、フレンチトーストが置いてあった。
「わぁー!やっぱり、久お兄様の作る料理は美味しそうですの!」
そう言って来栖は和食の置かれた方の椅子に座った。
久はフレンチトーストの置かれた方の椅子に座る。
「やっぱり、朝はパンがええなぁ…」
ナイフとフォークで美しくフレンチトーストを切りながら、口へと運ぶ。
来栖は器用に魚の骨を取りながら、綺麗に三角食べをしていた。
そんな暖かい雰囲気の家に、インターホンの音が響く。
「…なんやぁ…」
不機嫌そうに久が呟きながら、玄関へ向かう。
玄関につき、少し雑にドアを開けると、そこにいた人物を見て、顔を引くつかせた。
「…空斗に…海斗…」
背の高い、銀髪の、顔のいい男。その横には同じく似た容姿の男が立っていた。
大人気双子アイドルの「Maybe Smile」である。
「ヤッホー!久!」
明るく久の手を握るのは空斗、ファンサが得意ないつも笑顔のチャラチャラした男だ。
「こら空斗、いきなり手を掴むな、すみませんいつも…これ、お菓子です。」
丁寧に菓子を渡してくるのは海斗、冷静でクールだが少し抜けているなんだか変な男。
「久お兄様〜?どうされて…ゲェッ!海斗に空斗ではございませんの!なんでここに!?」
「あ!来栖だぁ!!やっほー!」
「こら、今日は隣に住むことになったって言う報告だけだろ」
「…はぁ…?」
……さようなら上崎兄弟の平穏な日々。