朝礼――
全校生徒が整列する、無機質な校庭。
その中央、壇上に立つのは教頭。 威圧的な眼鏡越しに、生徒たちを一瞥する。
「本日より、スマートフォンの校内持ち込みは禁止とする。違反者は――」
「それ、やめまーす」
声がかぶさる。
声の主は、汐花だった。
黒い髪をハーフアップにして、オッドアイを隠すことなく曝け出している。
制服を着崩している上に、学校指定のものではない帽子を身につけていた。
「……蓮賽、生徒会長。いま発言を遮るのは非常に――」
「うっさ〜い!これさぁ、校長にも許可とってんだよね〜」
「は…?」
そう、“あの人達”とは校長や理事長のことである。
それもこれも「数の正義を上から叩き潰せるのは権力だけ」と言う考えからだ。
「いや〜びっくりしたよ〜!こーんな頭硬い学校のトップなんてそりゃコンクリ並みに頭硬いのかと思ったら私たちが抗議したらすーぐ許可出してくれてさ!びっくりだよ!」
ちなみに彼女達は至って平和に、弱みなど握らず正面から言って許可をもぎ取ってきた。
それは校長や理事長が抑圧されているこの現場をよく思っていなかったおかげである。まともで助かった。
いやこんなトチ狂った彼女達に許可を出した時点で校長なんかも狂っているが。
「と、言うことで〜…」
そう言って、汐花は手にした用紙を空中にばらまいた。
ひらひらと舞う白い紙には、こう記されていた。
【とりぷるふーるず式☆新校則】
1. ピクニック可
2. 好きな制服カスタムOK(チャイナ服・特攻服・アイドル衣装など)
3. 廊下はスケボー走行OK
4. ネット通学OK(むしろ推奨)
「これより、この学校は――私たち3人の"遊び場"になります!」
マイクを握りながら汐花が叫んだ。
弥生と条兎も壇上に跳び上がる。 朝礼の空気が、一瞬で変わった。
ざわざわ…ざわざわ……
生徒たちの間に、ざわめきと興奮が走る。
「マジ!?制服改造していいの!?」
「ってか、校則とか勝手に変えていいの!?」
「でも生徒会がやってんなら……ありじゃね?」
「校長も理事長もOK出してるしな…」
まるでライブ会場。 まるで文化祭の最終日。
校庭は、狂乱のカーニバルになった。
★☆★
その日の昼。
生徒会室では生徒会の仕事の為の道具とともに、真っ白なテーブルクロスが敷かれていた。その上にはごちゃごちゃに弁当やお菓子が置かれている。
「いやー!楽しかったぁ〜!」
汐花が部活の予算案に目を通しながら言う。その顔は素の、悪戯っぽい笑みだった。
「熱狂で楽しかった。この時だけは人間の動きに規則性があったね。」
三つ編みからウルフカットにヘアチェンジした弥生が少し唇で弧を描く。
「…スカート履いてくればよかった。」
ほんのりと淡い後悔をする条兎の髪には、淡い青のリボンが結ばれていた。
この日からきっと、この学校は少しずつ変わっていく。
いや、「とりぷるふーるず」がいる限り、全力で天才でバカになっていくだろう。
その中央、壇上に立つのは教頭。 威圧的な眼鏡越しに、生徒たちを一瞥する。
「本日より、スマートフォンの校内持ち込みは禁止とする。違反者は――」
「それ、やめまーす」
声がかぶさる。
声の主は、汐花だった。
黒い髪をハーフアップにして、オッドアイを隠すことなく曝け出している。
制服を着崩している上に、学校指定のものではない帽子を身につけていた。
「……蓮賽、生徒会長。いま発言を遮るのは非常に――」
「うっさ〜い!これさぁ、校長にも許可とってんだよね〜」
「は…?」
そう、“あの人達”とは校長や理事長のことである。
それもこれも「数の正義を上から叩き潰せるのは権力だけ」と言う考えからだ。
「いや〜びっくりしたよ〜!こーんな頭硬い学校のトップなんてそりゃコンクリ並みに頭硬いのかと思ったら私たちが抗議したらすーぐ許可出してくれてさ!びっくりだよ!」
ちなみに彼女達は至って平和に、弱みなど握らず正面から言って許可をもぎ取ってきた。
それは校長や理事長が抑圧されているこの現場をよく思っていなかったおかげである。まともで助かった。
いやこんなトチ狂った彼女達に許可を出した時点で校長なんかも狂っているが。
「と、言うことで〜…」
そう言って、汐花は手にした用紙を空中にばらまいた。
ひらひらと舞う白い紙には、こう記されていた。
【とりぷるふーるず式☆新校則】
1. ピクニック可
2. 好きな制服カスタムOK(チャイナ服・特攻服・アイドル衣装など)
3. 廊下はスケボー走行OK
4. ネット通学OK(むしろ推奨)
「これより、この学校は――私たち3人の"遊び場"になります!」
マイクを握りながら汐花が叫んだ。
弥生と条兎も壇上に跳び上がる。 朝礼の空気が、一瞬で変わった。
ざわざわ…ざわざわ……
生徒たちの間に、ざわめきと興奮が走る。
「マジ!?制服改造していいの!?」
「ってか、校則とか勝手に変えていいの!?」
「でも生徒会がやってんなら……ありじゃね?」
「校長も理事長もOK出してるしな…」
まるでライブ会場。 まるで文化祭の最終日。
校庭は、狂乱のカーニバルになった。
★☆★
その日の昼。
生徒会室では生徒会の仕事の為の道具とともに、真っ白なテーブルクロスが敷かれていた。その上にはごちゃごちゃに弁当やお菓子が置かれている。
「いやー!楽しかったぁ〜!」
汐花が部活の予算案に目を通しながら言う。その顔は素の、悪戯っぽい笑みだった。
「熱狂で楽しかった。この時だけは人間の動きに規則性があったね。」
三つ編みからウルフカットにヘアチェンジした弥生が少し唇で弧を描く。
「…スカート履いてくればよかった。」
ほんのりと淡い後悔をする条兎の髪には、淡い青のリボンが結ばれていた。
この日からきっと、この学校は少しずつ変わっていく。
いや、「とりぷるふーるず」がいる限り、全力で天才でバカになっていくだろう。