「10秒前!!」
またギリギリまでこもっていた。慌てて出るときにうっかり誰かの足を踏んでしまう。
「ごめん!」
走りながら告げる。もう、ここにいる余裕は欠片もない。ここにはこの時間帯、卓球部のはしりの連中がやってくる。急いで逃げなければ、「誘拐」されてしまう。
「中庭は危ない、でも、館内も危ない」
「じゃあグラウンドの中心にいよう」
「はあ?目立つだろ」
午前中に話し合っても結論は出ず、それぞれに隠れるなり、走るなりして生き残ることになった。
「東館にいこう」
私と優は東館に行くことにした。腰をかがめて周りからわからないように移動する。その時も、周囲からの攻撃に備えて絵の具付きの筆を構えている。ちなみに優は小ぶりのキャンバスをかざしている。
「っ!!」
見つかった。後方から追いかける足音が聞こえる。
「走れ」
必死に走る。走る、走る。館内では捕まる。
「グラウンドいこう」
手短に伝えて走る。グラウンドに行って他部にまぎれて逃げる。
だが、事はそう首尾よく進まない。
「うおおおおおおおらあああああ!!!」
サッカー部のゴールが押されてくる。
「ブルドーザーかよ」
ついついツッコミが口をつく。
「のこったのこったああ!」
ラグビー相撲連合軍はとにかく押してくる。
このグラウンドは学校史上最悪のカオスと化していた。
その時。
「パシャリ」
冷たい音が聞こえた。即座にアナウンスが流れる。
「写真部だ。現在の醜態を記録した。ばらまいてほしくなければ即座に抵抗をやめろ」
場が騒然となった。
「おい、なんかヤバそうだぜ」
状況を把握しきれていない人々も訳知り顔に蒼白になる。
「リサはやく」
このどさくさに紛れて逃げることにする。なんとか助かったが、こんな戦い方があるとは。
まさに「社会的に抹殺する」。写真部は運動部や、危険な器具を持つ部と違ってノーマークだったため、動きやすかったのだろう。
「まてっ!」
「うぐっ」
見つかった。逃げられない。
「おい!こいつらを捕まえろお!!」
集団心理か何かで、沢山の人々が向かってくる。
「ちょ、ちょ待って。なになになに!!」
半分パニックになりかけている。優に小突かれる。
「筆」
私は大きく一歩を踏み出した。手始めに最も近くにいたやつの顔を絵の具で塗る。次々に絵の具を撒き散らす。とどめにキャンバスを投げつける。
混乱したグラウンドの一角から逃げるのは容易かった。
「うひひ」
優に至っては小さくほくそ笑んでいる。
今日は、力以外の戦い方についてしれたと思う。これで、美術部も活動の幅が広がりそうだ。
今日も、終りを迎えた。
「あと、2日」
またギリギリまでこもっていた。慌てて出るときにうっかり誰かの足を踏んでしまう。
「ごめん!」
走りながら告げる。もう、ここにいる余裕は欠片もない。ここにはこの時間帯、卓球部のはしりの連中がやってくる。急いで逃げなければ、「誘拐」されてしまう。
「中庭は危ない、でも、館内も危ない」
「じゃあグラウンドの中心にいよう」
「はあ?目立つだろ」
午前中に話し合っても結論は出ず、それぞれに隠れるなり、走るなりして生き残ることになった。
「東館にいこう」
私と優は東館に行くことにした。腰をかがめて周りからわからないように移動する。その時も、周囲からの攻撃に備えて絵の具付きの筆を構えている。ちなみに優は小ぶりのキャンバスをかざしている。
「っ!!」
見つかった。後方から追いかける足音が聞こえる。
「走れ」
必死に走る。走る、走る。館内では捕まる。
「グラウンドいこう」
手短に伝えて走る。グラウンドに行って他部にまぎれて逃げる。
だが、事はそう首尾よく進まない。
「うおおおおおおおらあああああ!!!」
サッカー部のゴールが押されてくる。
「ブルドーザーかよ」
ついついツッコミが口をつく。
「のこったのこったああ!」
ラグビー相撲連合軍はとにかく押してくる。
このグラウンドは学校史上最悪のカオスと化していた。
その時。
「パシャリ」
冷たい音が聞こえた。即座にアナウンスが流れる。
「写真部だ。現在の醜態を記録した。ばらまいてほしくなければ即座に抵抗をやめろ」
場が騒然となった。
「おい、なんかヤバそうだぜ」
状況を把握しきれていない人々も訳知り顔に蒼白になる。
「リサはやく」
このどさくさに紛れて逃げることにする。なんとか助かったが、こんな戦い方があるとは。
まさに「社会的に抹殺する」。写真部は運動部や、危険な器具を持つ部と違ってノーマークだったため、動きやすかったのだろう。
「まてっ!」
「うぐっ」
見つかった。逃げられない。
「おい!こいつらを捕まえろお!!」
集団心理か何かで、沢山の人々が向かってくる。
「ちょ、ちょ待って。なになになに!!」
半分パニックになりかけている。優に小突かれる。
「筆」
私は大きく一歩を踏み出した。手始めに最も近くにいたやつの顔を絵の具で塗る。次々に絵の具を撒き散らす。とどめにキャンバスを投げつける。
混乱したグラウンドの一角から逃げるのは容易かった。
「うひひ」
優に至っては小さくほくそ笑んでいる。
今日は、力以外の戦い方についてしれたと思う。これで、美術部も活動の幅が広がりそうだ。
今日も、終りを迎えた。
「あと、2日」