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異世界転生したら内に秘めていた能力が解放されました。

#2

第二話

私は異世界転生した少女ミシェラ。私は今…父親に抱きしめられています!
「ミシェラ!全くお前っていう奴は…。療養中に部屋を抜け出すとは何事だ!」
「お、お父様…言葉と行動が伴っていません…。そして首がしまってえぇっ!?」
私が父様から離れると今度は姉様方が抱きしめてくる。
「ミシェラのバカ!心配したのよ…!」
「ね、姉様方おぉお離しくださいませっ!」
私は身内に一通り首を絞められるほど抱きしめられた後、ようやく解放された。一息つくと私は口を開いた。
「今からお話しすることは身内のみの方がよろしいです。人払いをお願いします、お父様。」
「分かった。」
父様はそう言うとメイド達を私の部屋から追い出した。ドアが閉まると私は話し始める。
「記憶は失ったままですが、ミューラにある程度教えていただき常識は一通り覚えました。」
すると家族はホッと安心している。私はその様子を見ながら続けた。
「私の話はこちらです。」
そう言って私は右手を見せる。すると父様方が
「これは…!」
と言葉を失っていた。
(やっぱりすごいことなのね。)
「はい、皆様ご存知七色のパールです。」
「おぉ…!でも、どうして急に…。」
「…私、夢で虹色の水に流される夢を見ました。きっと関係しているかと。」
「ミューラよ、これはまことか?」
するといつの間にかいたミューラは私をじぃっと見て頷いた。
「はい、父上。まことです。」
「なんと…!ミシェラは神に選ばれし聖女だと言うのか!?」
(へ?…聖女?)
「お、お父様?聖女ではないかと…。」
急な話の展開にミューラに助けてと目で訴えたがこめかみを押さえて睨まれた。
「…とりあえずミシェラ、お前には2日間の療養期間を設ける。それが終わるまではお手洗いなどではない場合、自室から出ないこと。良いな。ミューラ。」
「…なぜ私に確認を?」
ミューラはあからさまに嫌そうな顔で尋ねる。父様は平然とした顔で答えた。
「お前にはその2日間世話係を任せるからだ。良いよな?」
「げ……コホン!かしこまりました、父上。」
私はミューラのじとっとした視線を見て見ぬふりをして話す。
「あのぉ…お父様ぁ?」
「なんだ?ミシェラ。」
「その…よろしければ調理場をお借りして本日の夕飯を担当してもよろしいですか?」
「その理由は?」
「私、皆様に必ず振る舞いたいものがあるのですっ!」
「…確認、」
ミューラはそれが本心か父様に伝えようとしたが、父様は止めた。
「いや、いい。ミューラ。よし、作って見せよ。少しは甘めに評価してやろう。」
「あら?辛口でよくってよ、お父様。」
私は父様の挑発に仕返しをして、家族一斉面会は幕を閉じた。残ったのは私とミューラとルクル兄様だ。
「ルクル兄様?何かお話でも?」
ルクル兄様は今まで閉じていた口を重そうに開く。
「あのだな…。其方には記憶がないかもだが、階段に落ちてしまう原因を作ってしまったのは私のせいなんだ。」
「ルクル兄様が…?」
(それをわざわざ…。)
私は健気なルクル兄様に思わず笑みが零れてしまった。
「な、なぜ笑う。」
「いえ、ミューラと違ってルクル兄様は健気な人だと思いまして。ふふっ!」
「おい、ミシェラ。」
「あら、ミューラ。事実でしてよ。」
私は声のする方を見るとドアの真横にモニカ姉様がいた。姉様の賛同にミューラはぐっとつまる。私は笑いながら続けて話した。
「ありがとう、ルクル兄様。私はあなたの伝えてくれた勇気だけでとても嬉しいです。」
「ミシェラ…、理由を聞きたくないのか?なぜ私のせいなのかとか…。」
「せっかく忘れた嫌な思い出を蒸し返すのはよろしくなくってよ。」
「ありがとう。じゃあ失礼するよ。」
「えぇ。」
そう言うとルクル兄様は部屋を出ていき、次はモニカ姉様が入ってきた。
「次はモニカ姉様ですか。なんでしょう?」
モニカ姉様は笑顔ですごい話題をふっかけてきた。
「実は鑑定スキルでミシェラのスキルを見てしまったの。……七色のご加護って本当?」
(うっ…。まぁ誰かしらバレるよねぇ。…)
「…はい。くれぐれも内密に。」
「それは分かってるけど…。あのエクストラスキルは七色のパールを持つ者の中の3%も満たない超レアスキルなのよ?!」
「は、はあ……。」
「ミシェラ、何かあったらすぐ報告しなさい。噂には嫌なこともいっぱいあるから心配なの…。」
「あとは単なる探究心ですね。」
「あはははは…まぁそうね…。」
「いいですよ。ではついさっき神に祈りを捧げた時の異常現象をお伝えしましょう。」
「わぁっ、ありがとう!ミシェラ!」
それから小一時間が過ぎ、モニカ姉様もやっと帰ってくれた。
(ふぅ…。疲れた〜!)
するとミューラが私に手を出した。
「何?」
「いや、夕食の準備するんだろ。監視も兼ねてエスコートだよ。」
「ありがとう…。」
「…………。」
「…………。」
「早く手ぇ取れよっ!」
「うぇ!?あぁごめん。」
(ミューラがエスコート…。超不気味。)
私は調理場までエスコート(らしきもの)をされた。
「こんにちは、お起きになられて嬉しく存じます姫様。」
「ありがとう、皆様。本日の夕食の準備のお手伝いお願い致しますね。」
「かしこまりました!」
(やっときたー!料理の時間!和食〜和食〜!あ!でもおかずはハンバーグでもいいな。)
さっきモニカ姉様とここに揃っている食材について話したから大まかなものは把握済みだ。
「じゃあ、少人数のグループになって私のところに来て。」
私は早速割り振りをして、料理を始めた。最後の方はもうヤケクソだったが多分大丈夫だと思う…多分。
「姫様〜!」
「は〜い!」
「こっちはどうすれば〜!」
「今行きま〜す!」
ようやく調理は終わり、私は部屋に戻りながら額の汗を拭う。
(ふぅ。やっぱり頼られるのはいいわね〜!)
すると赤髪の綺麗なメイドが入ってくる。
「お食事が運び終わりました。」
「もうっ!?早いわね…。さすがだわ。」
「いえ、それほどでも。」
彼女は小さく笑って部屋を出て行った。すると今までずっと様子を見ていたミューラが急に話し出す。
「あいつは俺の専属メイド、リファだ。」
「リファ…。綺麗な人ですね。」
「そうか?」
「そこは褒めた方がいいと思うわ、ミューラ…。」
私は半分引いて平然としているミューラを見る。
「うるさいな。そんでその眼差しをやめろ。」
ミューラは私を睨みながらリファの用意してくれたお茶を飲んでいる。すると睨むのをやめて真剣な目つきに変わった。私も少し態度を変える。
「お前のスキルが早くもバレかけてきている。」
「どうして…。」
「それは…祈りだよ。」
「え?祈りってミューラの部屋での…?」
「はぁ、そうだよ。」
ミューラは立ち上がり、私の肩に手を置く。
「まぁ、どうせ学園に行けばいずれバレるんだ。せいぜい頑張れよ。」
「えぇ…?ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
私はミューラを慌てて引き留めたが部屋を出て行ってしまった。ー
…「おぉ!美味しい!」
「ふふっ!お口にあって良かったです。」
(そんな余裕なんて一切ないけどねっ!?)
私はミューラとのさっきの会話を思い出して俯く。
(どういう事よ…。あぁもう!)
私が頭を悩ませる中
「さすがは我が娘!」
と言って父様は私の背中をビシバシ叩く。
「い、痛い…。でも作ったのは料理人やメイド達ですし…。」
「はっはっは。謙虚だなぁ。」
すると、ルクル兄様が私と父様の間に割り込んできた。そして私の背中を叩いていた手を掴む。
「何をする、ルクル。」
「父上、ミシェラが嫌がっていたでしょうが!ミシェラは我々みたいな男ではありません。加減してください。」
「ルクル兄様…。」
すると父様はムスッとしながらご飯をまた食べ始めた。
「ありがとうございます、ルクル兄様。」
「いいんだよ。父上は少々加減ができない人だからな。仕方がない。」
ルクルはそう言って自席に戻る。そして私にニコッと笑った後、またご飯を食べ始めた。
(やっぱり健気…!どこぞの漫画のキャラなのっ?!ルクル兄様はっ!)
私はルクルの健気さに心で叫んでいると、あっという間に完食した。
(…ハンバーグ、ノリで作ってみたけど案外イケたわね。また作ろうかしら。)
するとミューラが私を睨んでいたのにようやく気づいた。
「あら、なんですの?ミューラ。そんな怖いお顔をされて。」
「お前…これは嫌がらせか…?」
ミューラはそう言ってハンバーグの中身を見せる。すると、中心部分が綺麗なピンクだった。
「あ、あぁ〜実は〜その〜…。」
「実は?その?何だ、言ってみろ。」
ミューラは凄みのある笑顔で私を見つめる。
「えぇっと…最後の方はもうなんかヤケクソで…えへへぇ…。」
「ほぉ…つまり俺に喧嘩を売っているのだな?」
「いっいえっ!全然全然違いますよーっ!」
「かくごぉ!」
「ぎゃあああああああ!」
…「ふぅ、成敗成敗!」
「あぁ…私のデザートぉ…。」
ミューラは罰として私のデザートを奪ってきた。ミューラを睨みながら泣いていると急にバンッと扉が開いた。
「領主様っ!」
「何事だ!」
するとメイドはアワアワしながら私を見る。
「あ、あの…ミシェラ様に会いたいと王族の方が…!」
「なんだと!?」
(王族が…私に…?!)
すると、扉の奥が妙に騒がしくなる。
「困ります!領主様の許可なしに…!」
「うるさいっ!」
そうして、扉がまた勢いよくバンッと開く。そこには私と同じ年頃の男の子がいた。そして今までと違ったのが…
(何でだろう…私…こいつの顔知ってる…!)
ということだった。男の子も私だけを見ている。そして口の端をあげて話しだした。
「よぉ、久しぶりだな。明知由良。」
「あなた…まさか…春樹なのっ!?」
(うそでしょ…こんなところで会うなんて…。)
私は出会ってしまった。夕暮れ時、夕日のさす窓の前で、転生前の旧友と…。

作者メッセージ

皆さんこんにちは!第二話はいかがでしたか?感想、ご意見、リクエスト!どしどしお待ちしております♪活動報告では新作品の発表もしているので良ければ覗いてみてくださいね!ではまた第三話でお会いしましょう!

2025/04/03 16:59

紅羽
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