転生少年R ―茨の人生―
#1
1.変わるはずのない日常
「あぁうぁ、だぁぅう…」
まだまだ幼い僕の妹。それを抱えるかじかんだ手。その時、僕らは孤児だった。
「だいじょうぶ、だいじょうぶだからね。きっとだれかたすけてくれる」
「ぐぅううぁ…まぁま?」
「………ままはもういないんだよ。ぼくたちは“ふたりきり”になっちゃったんだ」
父親が浮気していたショックで、母親が自殺してから2週間とちょっと、僕らは碌なご飯も食べてない。
粉ミルクも、昨日で全部尽きてしまった。僕らはまだ小さくて、お金すら持っていない。家中探したが、あったのは数字が書いてあるメモ帳のようなものだけで、お金はどこにも見当たらない。
きっと、お父さんに全部持っていかれたんだ。それで、生活が少しでも苦しくならないように、自分だけ死んじゃったんだ。
だってお母さんは、小さい子を置いてわざと死んじゃうような卑怯なやつじゃないから。
「あうぅああぁ」
「だいじょうぶ…だいじょうぶだよ…。……さむい…だれか…」
杏菜だけは…助けて…。
「琉生くん、ここにあったいちご知らない?多分誰かが食べたと思うんだけど…」
「あー…それなら、さっき杏菜がほっぺた膨らませながら走っていったけど…何か関係あるかな?」
「杏菜ちゃー…ん?ありがとう、ちょっと探してくるわ…」
あの時から約7年が経ち、僕達は、佐々木愛という人に拾われた。
あのときの記憶は、今も鮮明に残っている。
ちなみに、今さっき杏菜を追いかけていった人が愛さんだ。
「……杏菜、もう行ったぞ」
「おんおい?!んいあおう!おいーあん!…いちご美味し〜!!」
「………琉生も大変だね」
「青羽兄」
この人は佐々木青羽。僕らと一緒で、愛さんに拾われたそうだ。
青羽兄は、僕ら姉弟の中で一番年上だ。
「琉生は疲れないの?僕だったらしんどくなっちゃうな」
「疲れ…はないかな。慣れてるし。青羽兄も、僕らの中で唯一仕事してるし…無理してない?ただでさえ青羽兄は病弱なんだから」
「それは大丈夫。みんなのためになってるんだったら、全然苦じゃないよ」
「あっ、青羽!ちょうどよかった、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
この元気な人は、スミレさん。青羽兄より3歳年下で、青羽兄より頼りがいがあるのでみんなからは姐さんと呼ばれ慕われている。
「スミレ、また勉強?勉強ばっかで疲れない?どこがわかんないの?」
「えーっと…こことここのとこ、公式忘れちゃって…」
「こないだも説明した…だから、ここは………」
「__スミレえええええ!!!!」
すると、どこからともなくとてもうるさい声が聞こえてきた。
「…姐さん!!馬鹿なの!?」
「何急に!あんたの方が馬鹿でしょ!?」
「………蒼汰、うるさい」
こいつは蒼汰。俺と同い年で…とにかくうるさい。
「あっ、琉生!聞いてくれよ、さっき姐さんがな?…」
「あっ!!それは話さないって約束でしょ!?」
「先に約束破ったのは姐さんじゃねぇか!!」
はぁ…今日も今日とてうるさい人達だ…。
「……青羽兄、どうしようこれ」
「…愛さんはどこに?」
「杏菜を追いかけてどっか行った」
「もぉおお…杏菜まで…なんでみんなそんなに元気なの?」
「さあ…」
うるさくて騒がしい家族だけど、それなりに楽しくて、温かくて、俺の大好きな家族達だ。
だけど、こんな日常も、これから壊れるなんて、その時は微塵も思っていなかった。
まだまだ幼い僕の妹。それを抱えるかじかんだ手。その時、僕らは孤児だった。
「だいじょうぶ、だいじょうぶだからね。きっとだれかたすけてくれる」
「ぐぅううぁ…まぁま?」
「………ままはもういないんだよ。ぼくたちは“ふたりきり”になっちゃったんだ」
父親が浮気していたショックで、母親が自殺してから2週間とちょっと、僕らは碌なご飯も食べてない。
粉ミルクも、昨日で全部尽きてしまった。僕らはまだ小さくて、お金すら持っていない。家中探したが、あったのは数字が書いてあるメモ帳のようなものだけで、お金はどこにも見当たらない。
きっと、お父さんに全部持っていかれたんだ。それで、生活が少しでも苦しくならないように、自分だけ死んじゃったんだ。
だってお母さんは、小さい子を置いてわざと死んじゃうような卑怯なやつじゃないから。
「あうぅああぁ」
「だいじょうぶ…だいじょうぶだよ…。……さむい…だれか…」
杏菜だけは…助けて…。
「琉生くん、ここにあったいちご知らない?多分誰かが食べたと思うんだけど…」
「あー…それなら、さっき杏菜がほっぺた膨らませながら走っていったけど…何か関係あるかな?」
「杏菜ちゃー…ん?ありがとう、ちょっと探してくるわ…」
あの時から約7年が経ち、僕達は、佐々木愛という人に拾われた。
あのときの記憶は、今も鮮明に残っている。
ちなみに、今さっき杏菜を追いかけていった人が愛さんだ。
「……杏菜、もう行ったぞ」
「おんおい?!んいあおう!おいーあん!…いちご美味し〜!!」
「………琉生も大変だね」
「青羽兄」
この人は佐々木青羽。僕らと一緒で、愛さんに拾われたそうだ。
青羽兄は、僕ら姉弟の中で一番年上だ。
「琉生は疲れないの?僕だったらしんどくなっちゃうな」
「疲れ…はないかな。慣れてるし。青羽兄も、僕らの中で唯一仕事してるし…無理してない?ただでさえ青羽兄は病弱なんだから」
「それは大丈夫。みんなのためになってるんだったら、全然苦じゃないよ」
「あっ、青羽!ちょうどよかった、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
この元気な人は、スミレさん。青羽兄より3歳年下で、青羽兄より頼りがいがあるのでみんなからは姐さんと呼ばれ慕われている。
「スミレ、また勉強?勉強ばっかで疲れない?どこがわかんないの?」
「えーっと…こことここのとこ、公式忘れちゃって…」
「こないだも説明した…だから、ここは………」
「__スミレえええええ!!!!」
すると、どこからともなくとてもうるさい声が聞こえてきた。
「…姐さん!!馬鹿なの!?」
「何急に!あんたの方が馬鹿でしょ!?」
「………蒼汰、うるさい」
こいつは蒼汰。俺と同い年で…とにかくうるさい。
「あっ、琉生!聞いてくれよ、さっき姐さんがな?…」
「あっ!!それは話さないって約束でしょ!?」
「先に約束破ったのは姐さんじゃねぇか!!」
はぁ…今日も今日とてうるさい人達だ…。
「……青羽兄、どうしようこれ」
「…愛さんはどこに?」
「杏菜を追いかけてどっか行った」
「もぉおお…杏菜まで…なんでみんなそんなに元気なの?」
「さあ…」
うるさくて騒がしい家族だけど、それなりに楽しくて、温かくて、俺の大好きな家族達だ。
だけど、こんな日常も、これから壊れるなんて、その時は微塵も思っていなかった。