ゲーム実況に起業にボカロ。
なんとまぁ尖った夢が大量に飛び出した。
どれか一つだけでも一つの人生を捧げるものじゃないだろうか。
そんなものを死んだガキに「代わりに叶えて」と言われてなんで叶えなきゃいけないんだ。
それで「はいそうですか」と受け入れる奴がいたらそれはただの聖人か、大馬鹿野郎だ。
あいにく、俺はどちらでもない。
平凡と屑の境目のような中途半端な、ただの高校生だ。
「悪いが、他を当たってくれ。俺にそんな才能はないし、そもそもやる気がない。さっさと死なせてくれ」
「だーめ。もうおにーさんって決めたから」
冷たく言い放ったつもりだったが、クロはぐっと距離を詰めてきた。
久しぶりに向けられた、期待するようなきらきらとした目。
罪悪感がちくりと胸を刺す。
その瞬間、クロの微笑みが、少しだけ悪戯っぽいものに変わる。
「おにーさん、まだ完全には死んでないって言ったよね?」
まさか、と嫌な予感が浮かぶ。
「僕の魂、分けてあげる。それで_おにーさんの欠けた穴、埋めてあげる。」
「代わりに_僕の夢、全部叶えてきてね」
「は?おい、待て」
言うが早いか、クロが俺の胸にぽんと手を当てた。
その瞬間、真っ白だった世界が、ガラスのようにパリンと音を立ててひび割れる。
急速に世界が壊れていく。
なぜだか、恐怖はない。
隣に、微笑んだ少年がいたからだろうか。