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アンビバレンス

#2

覚醒



真っ白な世界が広がっていた。

目を見開くと同時に綺麗な顔が自分を覗き込んできた。

年下だろうか、自分より幼い顔立ちをしていて。

ぱっちりとした、大きなきらきらとした目。

制服を着ており、ぱっと見たところはただの男子生徒だ。

口元には柔らかな微笑みが浮かんでいる。

「おにーさん、どうしたの?僕でよかったら話聞こうか?」

声変わりしていないような、男にしては高い声だった。

「…」

俺は目の前の少年の顔をぼうっと見つめた。

綺麗な顔。だが、それ以上に状況がよく理解できない。

(…俺は。生きてる、のか?)

すぐに、浮かんできた考えを取り消す。

俺は確かに先ほど死んだはずだ。

じっとりとした血の温かみと、冷たい砂の感覚がまだ残っている。

なのに、痛みはどこにもない。

俺は身を起こしながら、周りを見渡した。

どこまでも白い世界が広がっている。

「…別に。話、なんて…」

そっけない声を返した。

屑になりきれない平凡な自分は、こんな見知らぬ子供にまで気を使って、まともな返事を探そうとしてしまう。

「ここ、どこだよ。お前、誰?」

2026/08/03 02:34

ザクロ
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