真っ白な世界が広がっていた。
目を見開くと同時に綺麗な顔が自分を覗き込んできた。
年下だろうか、自分より幼い顔立ちをしていて。
ぱっちりとした、大きなきらきらとした目。
制服を着ており、ぱっと見たところはただの男子生徒だ。
口元には柔らかな微笑みが浮かんでいる。
「おにーさん、どうしたの?僕でよかったら話聞こうか?」
声変わりしていないような、男にしては高い声だった。
「…」
俺は目の前の少年の顔をぼうっと見つめた。
綺麗な顔。だが、それ以上に状況がよく理解できない。
(…俺は。生きてる、のか?)
すぐに、浮かんできた考えを取り消す。
俺は確かに先ほど死んだはずだ。
じっとりとした血の温かみと、冷たい砂の感覚がまだ残っている。
なのに、痛みはどこにもない。
俺は身を起こしながら、周りを見渡した。
どこまでも白い世界が広がっている。
「…別に。話、なんて…」
そっけない声を返した。
屑になりきれない平凡な自分は、こんな見知らぬ子供にまで気を使って、まともな返事を探そうとしてしまう。
「ここ、どこだよ。お前、誰?」