閲覧前に必ずご確認ください
・キャラ崩壊・解釈不一致ご注意ください
・世界線ぐちゃぐちゃ
・自己満・フィクション
・実際の人物とは関係✘
【hr side】
その日は、よく雨が降っていた。
室内にいてもざぁざぁと音がよく聞こえるくらい。
雨で靴が濡れるのは嫌いだったのに、気づけば玄関へ向かっていた。
理由は分からない。
けど、なぜか外に出たいと思っていた。
傘をさす。
手ぶらで出たので気楽だ。
「…あ。やっぱ濡れちゃった」
じわじわと染み込んでくる水分が不快感を誘発する。
少し顔を顰めながらも、引き返しはしなかった。
ただどうしても歩きたかった。
数分間歩いて、ふと横を見たときだった。
暗い路地があった。
それと、黒い影。
近づいてみる。
見覚えのある影だった。
「…うたくん?」
影が動く。
予想通りだった。
髪も服も濡れ、完全に肌に張り付いている。
いつからそこにいたのだろうか。
「[小文字]…なんだ。はるてぃーか…[/小文字]」
呟いた。声、小さい。
なにそれってくらい。
「…なにしてんの、こんなとこで」
言いながらも傘をうたくんの上へ持っていく。
これ以上濡れたら死んじゃうんじゃないかってちょっと思った。
「…なんもしてねぇよ」
嘘か判断がつかなかった。
うたくんはたまに本当に気まぐれでこういうことをする。
「…風邪、ひくよ?」
「どうでもいいからやってんの」
そりゃ気にしてたらやらないか。
当たり前のことを突き出されてしまった。
「連れ帰っていい?」
暫く沈黙。
無視というよりは、答えを考えてる感じだった。
「…強制?」
「勿論」
言い終わると同時にぐいっと腕を引っ張る。
「いてぇんだけど」
「自業自得だと思って」
ま、俺をこんな行動にださせたうたくんが悪いってことで…。
許してよ、こんな状態をほっとける男じゃないんだっての。
てか俺がそもそも帰るとは思ってなかっただろうし。
多分諦め半分聞いたんだと思う。
「帰るぞ」
「…はいはい」
呆れたように。
諦めたように。
うたくんの意図は分からない。
でも、今はいい。
傘をさして、うたくんがこれ以上濡れないようにする。
もう自分の靴なんてどうでもいい。
そう、いいんだ。
これがうたくんで、これが俺達の日常だ。
「…そう、だよね?」
「?…なに、なんか言った?」
「…ううん、何も!」
腕を持ち直す。
今はいい。
これがずっと、毎日続けばいい。
大丈夫だ。
俺達ならやっていける。
いつか崩壊しても、またやり直せる。
大丈夫、大丈夫、
大丈夫、大丈夫、大丈夫_?
やっていけなかったとしても。
俺がどうにかする。
無理やりすべてを引きつなげてでも。
どんな手段に出ても。
だから__
「…大丈夫だよ、うたくん」
「もう置いていかないからさ」
「…だから、さ。」
「もう泣かないで」
俺の声は届かない。
うたくんの声は聞こえない。
俺達は一生繋がれない。
何千回謝っても、何億回泣き喚いても。
しょうがない現実を突きつけられるだけだ。
だけど、俺は諦めきれない。
だから今日も、何千回、何億回繰り返す。
うたくんがこちら側へ来るまで。