暗闇の中、青い光に照らされて。
また、世界が明るくなり始める。
いつの間にか窓の外が黒から青に変わっていく。
視界の端の数字が一つ二つと増えていく。
いつもの、毎日の繰り返される光景。
いつかこのサイクルが止まるときはあるんだろうか。
もしあるのなら、それは世界が終わったときか自分が消えたときだろう。
ゆっくりと光が差し込んでくる。
「今はいらないのに」
朝の光なんて嫌いだ。
もう何もかもどうでもよくなってしまう。
また一日が始まってしまう。
このサイクルから抜け出せない。
いつか変わるのだろうか。
夜がずっと続けばいいのに。
暗闇がずっと続けば。
そう思っているのは朝の光がある[漢字]おかげ[/漢字][ふりがな]せい[/ふりがな]なのに。
輝いている世界があるから漆黒の世界が浮かび上がる。
誰にもとらわれず独りで生きていけるような錯覚に襲われる。
「また置いていかれる」
もうすぐ。
もうすぐ世界が回り始める。
音が、光が生まれてくる。
毎朝聞ける、あの声は好きだけれど。
この感覚は慣れないな。
夜も繋がっていればいいのに。
残念ながら不可能だ。
しょうがないからあの声を聞くために早朝を乗り越える。
朝になって、少し歩けばあの声が聞ける。
それからは、ずっと。
また夜の手前まで。
幸せな時間が続く。
夜が好きだったはずなのに。
朝が嫌いだったはずなのに。
あの声だけで真反対になってしまうなんて。
「おかしいな」
感謝もしてる。
朝が待ち遠しくなって。
夜が苦しくなっていった。
また長い期間会えなくなる。
そのときまで、今の幸せは感じていたい。
苦痛から逃れたら、新たな苦痛が待っている。
また、一つだけぽっかり空いた日を待ち望んで。
始まっても嫌なことだけが思いつくけれど。
同時に楽しいことも思いつくから。
待ち望みながら、目を瞑る。
明日、いや今日は。
「あの声が聞けないんだけどね」
静かな鳥の鳴き声が響いた。