氷上のプリンス
#1
なれない私
歓声に包まれ、家族の笑った顔が見える。
「間宮愛依李さん、おめでとう!」
私に笑顔と拍手が送られる。
これは、7年前のこと。
今は、私にこんな希望なんてない。
だって、私の妹は天才だから。
「間宮優里亜さん、おめでとう!」
7年前の私の立場は今や妹のステージになっていた。
正真正銘の天才。妹のことをそういう呼ぶ人が出てきたのは、私が偽の天才だったからだろう。両親は、私に見向きもせず妹の方ばかりをみている。馬鹿らしくなってきたので、私は歓声に包まれているスケート場をあとにした。
「ふぅ……。」
ここは私が一息付ける場所。スケートリンクの近くにある展望台だ。登るのが少し大変なので人も少なく、落ち着きやすい。
「あらら。今日も落ち込んでる?」
隣から声をかけてきた人は展望台でカフェをしている21歳の佐紺彰さんだ。
「あきらさん…。ん〜。落ち込んでるといえば落ち込んでるのかな。」
「ははっ。そっか。一杯飲む?」
コクリと頷いて紅茶を準備してもらった。
飛びたい。そう思ったことは何度もあった。
妹がいる限り、私は飛べない。けれど、
「飛びたいなぁ…。」
その思いは私を支配してしまう。
「じゃあ、スケートリンクじゃなくてここで一回飛んでみたら?」
「え…?ここで?」
「うん。トリプルは難しいと思うけどサルコウとかは?」
「うん。じゃあやってみる。」
7年前の感覚をもう一度。
かすかにベルの音が聞こえた気がした。
「間宮愛依李さん、おめでとう!」
私に笑顔と拍手が送られる。
これは、7年前のこと。
今は、私にこんな希望なんてない。
だって、私の妹は天才だから。
「間宮優里亜さん、おめでとう!」
7年前の私の立場は今や妹のステージになっていた。
正真正銘の天才。妹のことをそういう呼ぶ人が出てきたのは、私が偽の天才だったからだろう。両親は、私に見向きもせず妹の方ばかりをみている。馬鹿らしくなってきたので、私は歓声に包まれているスケート場をあとにした。
「ふぅ……。」
ここは私が一息付ける場所。スケートリンクの近くにある展望台だ。登るのが少し大変なので人も少なく、落ち着きやすい。
「あらら。今日も落ち込んでる?」
隣から声をかけてきた人は展望台でカフェをしている21歳の佐紺彰さんだ。
「あきらさん…。ん〜。落ち込んでるといえば落ち込んでるのかな。」
「ははっ。そっか。一杯飲む?」
コクリと頷いて紅茶を準備してもらった。
飛びたい。そう思ったことは何度もあった。
妹がいる限り、私は飛べない。けれど、
「飛びたいなぁ…。」
その思いは私を支配してしまう。
「じゃあ、スケートリンクじゃなくてここで一回飛んでみたら?」
「え…?ここで?」
「うん。トリプルは難しいと思うけどサルコウとかは?」
「うん。じゃあやってみる。」
7年前の感覚をもう一度。
かすかにベルの音が聞こえた気がした。