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彼氏愛好家

朝6時、私は大好きな彼と同じ部屋で目を覚ます。今日も目覚まし時計で起きれない私を彼が起こしてくれたのだろう。
「おはよう。」
寡黙な彼は返してくれないが私には聞こえる。これが日常だ。私は彼を食べちゃいたいぐらい愛している。そんなことはしないが。
朝食としてトーストと目玉焼き、そしてコーヒーを摂って着替えた後、自宅の一軒家を出て、学校に向かう。
「行ってきまあす。」
眠い目をこすりながら電車の中でスマホを見て今日が母の日であることを思い出した。もう完全に会っていない。彼の事で揉め事になったときに「ダメだ、許せない」の一点張りで話にならなかったことを思い出した。ついでに生ゴミをまとめ忘れたことも思い出した。
許せなかった。
今日は遅刻せずに教室に着く事ができた。
「え!今日も遅刻しなかったね。やっぱり彼君のおかげ?」
これは友人の未玖(みく)だ。私より身長は小さいが友達は多い。
「本当にそうだね〜。本当に頭が上がらないよ。」
「でも引きこもりダメニートなんでしょ?彼。まったく、あんたはもの好きだね。」
口を出してきたのは同じく友人の陽子だった。
「うるさいな〜本当に素敵な人なんだから。」
「え!じゃあまた会わせてよ。前はろくに会話もできなかったし。」
「だめ。彼本当に人見知りなんだから。」
私はばつが悪そうに言った。
「は〜い、英語の授業を始めます。静かに。」
私があまり好きでない英語の授業が始まった。

「ただいま。」
彼女は帰ってくるなと真っ先にシャワーを浴びた。その後1人分の夕飯を持って部屋に向かった。
「カレー美味しい?」
彼からの返答はない。
「よくわかったね。その通り、隠し味はチョコレート。なんで分かったの?」
彼からの返答はない。
「ありがとう。」
彼からの返答はない。
「おかわりいる?」
彼からの返答はない。
「大丈夫、大丈夫、軽く切っただけだから。」
彼からの返答はない
「そうだね絆創膏買わないとだね。」
彼からの返答はない.。
「うん。明日買ってくるね。」

1人の一軒家に声が響く。彼女の幸せの絶頂の体現のような表情の向こうに居るのは彼。
「明日は生ゴミの日だから忘れないようにしないと…」
頑張って両手で重そうな袋を抱えている。
「やっとふたりだけで暮らせるね」
冷凍庫という棺桶に死体だけが置かれている。目を凝らせば首に跡がついているのがわかる。霜が付き、身も心も凍った彼は口を開かない。

今日もあの家には2人の愛し合う男女がいる。

2023/10/20 10:25

若人号
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