旅行中に大きな地震に遭い、俺は崩落したホテルの瓦礫の下に閉じ込められた。
体は動かず、真っ暗な隙間で死を待つしかない。
幸い、スマホが生きていた。電波は圏外だが、録画機能は使える。
俺は最後に家族へメッセージを残すことにした。
「お父さん、お母さん、先に逝くのを許して……。今、外から救助隊の声が聞こえる。でも、俺の場所までは届きそうにない。今までありがとう」
泣きながら動画を撮り終え、保存した。
数日後、奇跡的に俺は救助された。
病院のベッドで、あの時撮った動画を家族と一緒に見た。
「本当に助かって良かった」と泣く母。
だが、動画を再生した瞬間、病室が凍りついた。
動画の中の俺の背後の暗闇から、無数の白い手が伸びて、俺の口を塞ごうと動いていたからだ。
そして、救助隊の声だと思っていた「音」をよく聞くと、こう言っていた。
『こっちにおいで……こっちにおいで……』
[解説]
救助隊の声だと思っていたものは、実は死後の世界(あるいは瓦礫の下にいた悪霊)からの手招きだった。本人は極限状態でそれを「希望」だと聞き間違えていたが、実際には救助が来る前に連れて行かれそうになっていた。
体は動かず、真っ暗な隙間で死を待つしかない。
幸い、スマホが生きていた。電波は圏外だが、録画機能は使える。
俺は最後に家族へメッセージを残すことにした。
「お父さん、お母さん、先に逝くのを許して……。今、外から救助隊の声が聞こえる。でも、俺の場所までは届きそうにない。今までありがとう」
泣きながら動画を撮り終え、保存した。
数日後、奇跡的に俺は救助された。
病院のベッドで、あの時撮った動画を家族と一緒に見た。
「本当に助かって良かった」と泣く母。
だが、動画を再生した瞬間、病室が凍りついた。
動画の中の俺の背後の暗闇から、無数の白い手が伸びて、俺の口を塞ごうと動いていたからだ。
そして、救助隊の声だと思っていた「音」をよく聞くと、こう言っていた。
『こっちにおいで……こっちにおいで……』
[解説]
救助隊の声だと思っていたものは、実は死後の世界(あるいは瓦礫の下にいた悪霊)からの手招きだった。本人は極限状態でそれを「希望」だと聞き間違えていたが、実際には救助が来る前に連れて行かれそうになっていた。