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10年目の苺前線

パチ、と音を立てて灯る、小さな液晶の光。

10年前の僕たちは、
まだ何者でもない、ただの少年だった。

誰もいない暗闇に向かって、
ただ「楽しい」を届けたくて、声を張り上げていた。

最初は、数えるほどしか届かなかった僕たちの声。

だけど。
君が見つけてくれた。

「大好き」という君のコメントが、
「頑張れ」という君の再生数が、
冷え切っていた僕たちの世界に、
いちご色の優しい火を灯してくれたんだ。

楽しいことばかりじゃなかった。
悔しくて、前が見えなくなって、
「もう届かないかもしれない」って、
みんなでうつむいた夜もあった。

それでも、諦めなかったのは、
画面の向こうで待っている、君の笑顔を知っていたから。

一つ、また一つと、増えていく光。

いつしか僕たちの前には、
数え切れないほどのペンライトの海が広がっていた。

🧡「ここまで一緒に走ってきてくれて、本当にありがとう!」

💜「君が声を上げてくれたから、俺たちはここに立てるんだよ」

❤️「寂しい夜があっても、もう大丈夫。僕たちがずっと側にいるからね」

🩵「君の笑顔が、僕たちの宝物。これからもずーっと、味方でいさせて?」

💛「みんなと出会えたこの奇跡を、僕は一生忘れません!」

🩷「10年分のありがとうを込めて。……これからも、俺たちに笑顔をちょうだいね」

西武ドームも、日本武道館も、映画館のスクリーンも。
君が連れてきてくれた、最高の景色。

君と流した涙の数だけ、
僕たちの「いちご色の旗」は、強く、強く、なびいていった。
2026年、6月4日。

カレンダーのその数字を指でなぞる。
10年、という月日の重み。

長い時間が経ったけれど、
僕たちが君を幸せにしたいという気持ちは、
あの日の始まりの夜から、1ミリも変わっていないよ。

ねえ、聞こえていますか?

頼りなかった僕/俺たちを、
「すとぷり」にしてくれて、ありがとう。

10年間、僕たちの手を握りしめ続けてくれて、ありがとう。

君がいてくれたから、今日という奇跡がある。

10年目の今日も、そして11年目の明日からも。
僕たちは、君の笑顔のためだけに、声を届け続けるよ。

「10周年、おめでとう。――大好きな君へ、これからもずっと、僕たちの隣にいてね」

(おわり)

2026/06/05 07:10

紗奈(さな) 元苺花
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