弟が死んだのは、今年の一月だった。
雪の降る夜だった。家の中は暖房の音すらうるさいほど静まり返っていて、唯一、生きている気配を放っていたのは、布団の中で息を切らしていた弟——真人の体温だけだった。
半年。それがあの“病気”に与えられた、タイムリミットだった。
父のときも、母のときも、発症してから六ヶ月。ほとんど同じ症状。医者は首を傾げるばかりで、検査結果はすべて異常なし。 なのに、三人とも順番に死んだ。
「たいせい、さ……」
最後に真人がそう言って、息を引き取った。
掠れた声で、何を言おうとしたのかは分からなかった。でも、目を閉じたその顔は、何かを託すような表情をしていた。
あの瞬間、俺は心のどこかで決めていた。 ——[太字]この病気を、謎を、俺が解き明かす。家族が“ただの運命”で死んだなんて、思いたくない。[/太字]
それから半年。何も分からないまま、時間だけが過ぎていった。
そして、今日——
「次は……君の番だ。佐伯太星」
声がした。
部屋の真ん中に、誰かが立っていた。
見たことのない顔。笑ってもいないし、怒ってもいない。ただ、そこに“在る”だけのような存在。
その足元には、大きな砂時計があった。
地球儀ほどもあるそれが、静かにクルリと回転する。
ゴロン——
耳の奥に響いた音。
その音が、俺の余命のカウントダウンの始まりだった。
雪の降る夜だった。家の中は暖房の音すらうるさいほど静まり返っていて、唯一、生きている気配を放っていたのは、布団の中で息を切らしていた弟——真人の体温だけだった。
半年。それがあの“病気”に与えられた、タイムリミットだった。
父のときも、母のときも、発症してから六ヶ月。ほとんど同じ症状。医者は首を傾げるばかりで、検査結果はすべて異常なし。 なのに、三人とも順番に死んだ。
「たいせい、さ……」
最後に真人がそう言って、息を引き取った。
掠れた声で、何を言おうとしたのかは分からなかった。でも、目を閉じたその顔は、何かを託すような表情をしていた。
あの瞬間、俺は心のどこかで決めていた。 ——[太字]この病気を、謎を、俺が解き明かす。家族が“ただの運命”で死んだなんて、思いたくない。[/太字]
それから半年。何も分からないまま、時間だけが過ぎていった。
そして、今日——
「次は……君の番だ。佐伯太星」
声がした。
部屋の真ん中に、誰かが立っていた。
見たことのない顔。笑ってもいないし、怒ってもいない。ただ、そこに“在る”だけのような存在。
その足元には、大きな砂時計があった。
地球儀ほどもあるそれが、静かにクルリと回転する。
ゴロン——
耳の奥に響いた音。
その音が、俺の余命のカウントダウンの始まりだった。