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私が描く作品はシリアスな場面が多く、読んでいて心が重くなるような描写が含まれていることがあります。

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#2

ロスティング・ミュージカル 第一話 序章(続編描くかも)

 「おい『──』! 聞いてんのか『──』!!」
 怒声が響き渡る。響き渡っているのだろう。
 
 私は耳が聞こえなくなった。おそらく日々のストレスのせいだろう。でも、動かなければならない。聞かなければならない。口の動きから何を伝えようとしたのかを感じ取る。……だめだ、わかるはずもない。
 私は人形だ。操り人形。マリオネットとも言う。〈父〉の命令は絶対だ。言うことを聞かなければ暴力を振るわれる。
「『──』、この無能がっ!!」
 ボスッ、と腹に一発蹴りを食らわせられて家に入ってしまった。
 嫌だ。こんな、こんな自由のない世界は嫌だ。

 気がついたら、私は一人で涙を流していた。急いで止めなくては、私は人形、人形は涙を流さない、流してはいけない。
 でも止まらない。耳が聞こえなくなったのは昨日の夜。きっともう限界で感情の波をせき止められなくなってしまったんだ。
 タイミングの良いことに、ちょうど雨が降ってきた。雨に振られていれば、涙はごまかせる。

 私は人形だ。人形は命令もなしに動いてはいけない。
 ……私は人間だ。人間のはずだ。だって父の娘だもの。
 人間は自由だ。命令ができる。
 どうして私だけこんな仕打ちになったのだろう。でも、周りを見て、コレをおかしいと宣言する権利がないのは丸わかりだ。
 子供は皆〈人形〉として飼育される。そう、飼育だ。自分たちの命令を聞く、良いように扱うための小間使い。

 旅の商人が教えてくれた。この町は異常だと。
 旅の奇術師が教えてくれた。この町は心が汚れていると。

 私は泣いた。泣き続けた。声を上げないようにだけ気をつけながら、激しくなってきた雨の中泣き続けた。
 私も旅をしたい。ここが狂っているのなら、他は、〈普通〉ってどんななの?
 私はここしか知らない。自由になりたい。翼が欲しい。空を飛ぶカラスは、どうして自由でいられるの? カラスは、ゴミを漁る。もちろん嫌がられるけど、それで殺されたりはしない。危害も加えられない。でも〈人形〉がゴミを漁ればそれが自分の子であろうとなかろうと暴力を加える。それがこの町のルールだ。

「誰か、感謝でもしてくれたなら、〈人形〉のままでいたのかな」
 立ち上がる。ぼろの服で顔を少し隠す。
 出ていかれるのが嫌だから人形として飼育するのだろうか。大人になった〈人形〉はどうなるのだろうか。同じように子を飼育するのだろうか。
 そこに、愛は無いのだろうか。

作者メッセージ

彼女の名前、知りたいですか? 知りたい人いたら教えてください。元ネタのオリジナルキャラ(?)がいるんですけど、変わり果てたあとに自分で新しく名乗った名前って感じなので、基本本名考えてないんですよ。

2026/05/01 15:00

紅月麻実
ID:≫ 64arcCWCK.3.6
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