「賊? 盗賊ってことか〜!?」
「留衣様、馬車から出てはいけません! ここは私共におまかせを!」
ハルが馬車の窓を空け、呪文を詠唱する。まった、ハルって魔法使えたのか!? 僕は適正がないって言われて鍛錬していなかったけど……。
「ルージュファイア!」
ハルが窓から手を伸ばし、ボーリングの玉くらいの大きさの火の玉をはなった。
「まてハル! この馬車は木製だ、火の魔法を使ったら燃えるだろう!」
「はっ……! 申し訳ありませんカオル様、瑠衣様……っ!」
カオルが注意したものの時すでに遅し。後輪の一つに燃え移り、たった今崩れ落ちたところだ。まだ一つだけ車輪が残って入るが、いつまで持つかわからない。
「これ降りたほうが安全だろ! 一度降りて真っ向勝負だ〜! スキル発動、『配信開始』!」
瑠衣のスキル、『配信』。これは、特定の人間、または不特定多数の人間に、タブレットのようなものを出現させ、生配信をするというスキル。今回は、王族関係者、そして近衛兵と騎士団を対象にした。
(このまま配信を続ければ、誰かが駆けつけてくれるはずだっ……!)
瑠衣は馬車からハルとカオルの手を引いて降りながら、賊の人数を数えた。……これは、本当に賊なのか?
その人数は、20人弱。ただの馬車にここまで人数を咲くとは思えない。王子が乗っていることが知られていた? いや、そんなことより今はやることがある。瑠衣はできるだけ大きい声を出そうとした。
「ご覧になっている方は騎士団や近衛兵、そして王族関係者のみのはずです! 僕は瑞兎留衣! この国の王妃、シャノル・エトワール・アルテミス・シルフィードの子息! 我が王家に強盗が押し入り、金品は愚か、皆の命を奪われハルト村へ一時避難をしようとしたところ賊に遭遇してしまいました! どうか、援軍を!」
瑠衣はステータスパネルとでも言いたくなる見た目をした撮影機器で賊の姿を見せつつ状況を説明した。だが、その脚は震えている。瑠衣は、あまりメンタルが強くないのだ。そして、魔法の才能も、剣術の才能もない。できることとしたら、配信を使ったSOS。
護衛騎士であるカオルは必死に戦ってくれている。メイドのハルも、魔法を使って、火がつきぼろぼろになった馬車を直そうとしている。
自分は、何をしているのだろう。ただ馬車からすぐ降りたところで、光景を見せているだけだ。
──こんなの、YouTuber失格じゃないか。
「留衣様、馬車から出てはいけません! ここは私共におまかせを!」
ハルが馬車の窓を空け、呪文を詠唱する。まった、ハルって魔法使えたのか!? 僕は適正がないって言われて鍛錬していなかったけど……。
「ルージュファイア!」
ハルが窓から手を伸ばし、ボーリングの玉くらいの大きさの火の玉をはなった。
「まてハル! この馬車は木製だ、火の魔法を使ったら燃えるだろう!」
「はっ……! 申し訳ありませんカオル様、瑠衣様……っ!」
カオルが注意したものの時すでに遅し。後輪の一つに燃え移り、たった今崩れ落ちたところだ。まだ一つだけ車輪が残って入るが、いつまで持つかわからない。
「これ降りたほうが安全だろ! 一度降りて真っ向勝負だ〜! スキル発動、『配信開始』!」
瑠衣のスキル、『配信』。これは、特定の人間、または不特定多数の人間に、タブレットのようなものを出現させ、生配信をするというスキル。今回は、王族関係者、そして近衛兵と騎士団を対象にした。
(このまま配信を続ければ、誰かが駆けつけてくれるはずだっ……!)
瑠衣は馬車からハルとカオルの手を引いて降りながら、賊の人数を数えた。……これは、本当に賊なのか?
その人数は、20人弱。ただの馬車にここまで人数を咲くとは思えない。王子が乗っていることが知られていた? いや、そんなことより今はやることがある。瑠衣はできるだけ大きい声を出そうとした。
「ご覧になっている方は騎士団や近衛兵、そして王族関係者のみのはずです! 僕は瑞兎留衣! この国の王妃、シャノル・エトワール・アルテミス・シルフィードの子息! 我が王家に強盗が押し入り、金品は愚か、皆の命を奪われハルト村へ一時避難をしようとしたところ賊に遭遇してしまいました! どうか、援軍を!」
瑠衣はステータスパネルとでも言いたくなる見た目をした撮影機器で賊の姿を見せつつ状況を説明した。だが、その脚は震えている。瑠衣は、あまりメンタルが強くないのだ。そして、魔法の才能も、剣術の才能もない。できることとしたら、配信を使ったSOS。
護衛騎士であるカオルは必死に戦ってくれている。メイドのハルも、魔法を使って、火がつきぼろぼろになった馬車を直そうとしている。
自分は、何をしているのだろう。ただ馬車からすぐ降りたところで、光景を見せているだけだ。
──こんなの、YouTuber失格じゃないか。