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【実話】ちいさな恋ものがたり。- いのち短し恋せよ少女!♡ -

#2

ストーブよりあたたかい熱





ストーブの中は炎が赤々と爆ぜ、冷え切っていた教室もようやくじんわりと温まってきた。


「はい、じゃあ座席表見ながら机持って移動してくださーい」


担任の気の抜けた声が合図となり、一斉に机を引きずる不協和音が響き渡る。


「……よし」


あみだくじで決まった、これから三ヶ月間を共にする私の席。
窓際から二列目の一番後ろ。
視力は悪くないし、前後左右もそれなりに話せるメンバーで、ひとまず胸をなでおろした。


(ジンくんは……どこかな)


無意識に視線を流す。
誰とでも分け隔てなく接することができる彼は、既に新しい席の周りと賑やかな空気を作り出していた。

ジンくん。
以前、密かに想いを寄せていた人。
でも、彼の誰にでも優しい性格は、私にとっては時に残酷だった。
期待しては落ち込む日々に疲れ、「傷つく前に諦めよう」と心に決めたばかり。

そんな彼は、廊下側の一列目の一番後ろに配置された。


(…きっと私には、不釣り合いだったんだよね)


ほっとしたはずなのに、少しだけ胸が痛い。
その時だった。


「先生〜、僕ここだと黒板ちょっと見えにくいかもです」


通路を挟んだ隣の席になった男子が手を挙げる。

すると、すかさず別の声が重なった。


「あ、じゃあ俺代わるよ。その班なら知ってる奴らも多いし」


聞き慣れた、少し低い声。
心臓が跳ねた。
ジンくんがガタガタと机を引いてやってきたのは、あろうことかすぐ隣なのだ。


「……え」


思わず声が漏れる。

ジンくんは机を整えると、ふとこちらを見て、いつもの屈託のない笑顔を向けた。


「よろしくね、〇〇さん。ここ暖かいし当たり席かも」


「……うん、よろしく。ジンくん」


私は慌てて前を向く。

「諦める」と決めたはずなのに、わずか数十センチ隣から彼の体温や、衣服の微かな香りが漂ってくる。
これじゃあ、視界に入らなようにするなんて無理だ。

三ヶ月。
この近さで、私は自分の心を守りきれる自信がこれっぽっちも持てなかった。


作者メッセージ

神様は私の敵なのか味方なのか分かりませんね۫ ꣑ৎ

2025/12/23 20:13

るみねーじゅ
ID:≫ .1CEc41J8TDWw
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短編集恋愛実話

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