快活な声が、僕の全身を揺らす。
「ハハハ!そうか、君が新しい0番か‼…よし、0番くん!君も今からスクワットだ‼」
「えぇぇえ⁉」
僕は、叫ぶなり自ら腕立て伏せを始めた青年の姿に、ただ呆けるしかなかった。おおよそ200㎝を超えるであろう巨体に目を見張るばかりである。
すると、乱雑に青年の身体を放り投げる手が見えた。その滑らかな肌は僕を向き、するりと指をさすように指のうち一つを立てる。
「こいつはねぇ、面倒見はいいけれどたまに先走りなところがあるのよね。君みたいに、軸がぶれていること見ると…特に」
そう言ってニコリと微笑んだのは、色白な美女であった。
「ワタシの数字は『7番』。[太字]芸術・体育[/太字]を担当しているのよね。…こいつは『5番』。[太字]技術・工業[/太字]を担当しているの。アツい奴だけど、相応に頼れる奴よ」
柔らかに唇を緩めた7番は、その直後、恐ろしい形相で5番の頭を叩いた。
「この阿呆‼セレモニーを筋肉トレーニングで台無しにして、どうするのよ⁉」
「うぅあ痛いよ7番‼」
この調子は、日常茶飯事のようだった。他の分類の目が、「またか」と言っている。
すると、9番に連れられて、一人の女の子が僕のもとへやってきた。目元を半透明のヴェールで覆っているので、表情は口元でしか察することができない。
「童よ。この者は『8番』。[太字]言語[/太字]を担当しておるのじゃ。…まぁ、聞けることだけでも聞いておれ」
9番の意味深な言葉は、すぐに解消された。
8番がポソッと呟く。
「Мы встречаемся впервые, но я надеюсь, что мы сможем поладить.(私とあなたは初対面だけど、仲良くできたら嬉しいです)」
この華奢な女の子から、流ちょうな多言語が流れ出た時、僕はどういう表情になったのだろう。
助けを求めて9番に目をやると、彼女も眩暈がするとでも言いたげな顔になっている。
「…ぬぅぅっ、なぜ横文字なのじゃ。わ、我に横文字を使うなッ!……読めぬ故」
初めはわめくような口調だった9番の語尾がおとなしくなったのは、8番の口元が悲しみにきつく結ばれていたからである。その小動物のような反応に、僕らは閉口した。
そこで、思い立つ。
[太字]分類はあともう一人いる。[/太字]
「あの、9番」
「何じゃ?」
「君を除くとあの時分類たちは8人いたよね?てっきり1番から8番までの8人かと思ったけれど、2番が二人だった…。つまり、もう一人、分類はいるよね?」
「さっそくリーダーらしさが出ておるではないか。そうじゃ、『6番』…[太字]産業[/太字]が、最後の一人じゃ。…のう?ウヌはわずかだが顔の認識はあるようじゃな』
「?」
僕は記憶を巡らせる。そして。
「僕はあの時、小さな赤ずきんのような女の子にぶつかった…」
「そうじゃ、かの子が、『6番』といえる」
9番の大きな頷きを見て、僕のなかで『その子』と『6番』が像を結んだ。
けれど。
「今、その…6番は、どこにいるの?」
このセレモニーには、彼女の姿はなかった。
「ハハハ!そうか、君が新しい0番か‼…よし、0番くん!君も今からスクワットだ‼」
「えぇぇえ⁉」
僕は、叫ぶなり自ら腕立て伏せを始めた青年の姿に、ただ呆けるしかなかった。おおよそ200㎝を超えるであろう巨体に目を見張るばかりである。
すると、乱雑に青年の身体を放り投げる手が見えた。その滑らかな肌は僕を向き、するりと指をさすように指のうち一つを立てる。
「こいつはねぇ、面倒見はいいけれどたまに先走りなところがあるのよね。君みたいに、軸がぶれていること見ると…特に」
そう言ってニコリと微笑んだのは、色白な美女であった。
「ワタシの数字は『7番』。[太字]芸術・体育[/太字]を担当しているのよね。…こいつは『5番』。[太字]技術・工業[/太字]を担当しているの。アツい奴だけど、相応に頼れる奴よ」
柔らかに唇を緩めた7番は、その直後、恐ろしい形相で5番の頭を叩いた。
「この阿呆‼セレモニーを筋肉トレーニングで台無しにして、どうするのよ⁉」
「うぅあ痛いよ7番‼」
この調子は、日常茶飯事のようだった。他の分類の目が、「またか」と言っている。
すると、9番に連れられて、一人の女の子が僕のもとへやってきた。目元を半透明のヴェールで覆っているので、表情は口元でしか察することができない。
「童よ。この者は『8番』。[太字]言語[/太字]を担当しておるのじゃ。…まぁ、聞けることだけでも聞いておれ」
9番の意味深な言葉は、すぐに解消された。
8番がポソッと呟く。
「Мы встречаемся впервые, но я надеюсь, что мы сможем поладить.(私とあなたは初対面だけど、仲良くできたら嬉しいです)」
この華奢な女の子から、流ちょうな多言語が流れ出た時、僕はどういう表情になったのだろう。
助けを求めて9番に目をやると、彼女も眩暈がするとでも言いたげな顔になっている。
「…ぬぅぅっ、なぜ横文字なのじゃ。わ、我に横文字を使うなッ!……読めぬ故」
初めはわめくような口調だった9番の語尾がおとなしくなったのは、8番の口元が悲しみにきつく結ばれていたからである。その小動物のような反応に、僕らは閉口した。
そこで、思い立つ。
[太字]分類はあともう一人いる。[/太字]
「あの、9番」
「何じゃ?」
「君を除くとあの時分類たちは8人いたよね?てっきり1番から8番までの8人かと思ったけれど、2番が二人だった…。つまり、もう一人、分類はいるよね?」
「さっそくリーダーらしさが出ておるではないか。そうじゃ、『6番』…[太字]産業[/太字]が、最後の一人じゃ。…のう?ウヌはわずかだが顔の認識はあるようじゃな』
「?」
僕は記憶を巡らせる。そして。
「僕はあの時、小さな赤ずきんのような女の子にぶつかった…」
「そうじゃ、かの子が、『6番』といえる」
9番の大きな頷きを見て、僕のなかで『その子』と『6番』が像を結んだ。
けれど。
「今、その…6番は、どこにいるの?」
このセレモニーには、彼女の姿はなかった。