「…うふふ。0番、キミはボクの想像を超える、面白い子になってほしいものだよね」
開口一番、クレハの口から出たのは驚きのそれだった。
「…え?」
「だってほら…ね。ネラは、ボクのために[太字]つくってくれた[/太字]っていうし。……まあ、それ以外の意図があることくらい分かり切ってるんだけど」
僕の中で、いくつかの『点』が像を結んだ。
ネラが20年も待って僕を導いた理由。クレハというこの人物を大切に思う仕草。
ただ一途にクレハを想っていたことが、僕を呼び込んだ要因の一つに違いない。
僕はネラ=大図書館の、傲岸不遜な微笑みを思い浮かべ、その次にクレハの指をきつく絡めとっていたあの仕草を思い出す。
(……うん。やっぱり、ネラさんはクレハさんのこと、大好きなんだろうな……)
すると、クレハはどこからともなく綺麗な石を取り出した。宝玉、といったほうが正しいのかもしれない。
様々な方向から光を受けるたび、多彩な色を放つ石。クレハはそれを楽しむように、コロコロと手のひらの中で石を転がしていた。
「ふふっ。これ、何か分かるかな?」
「……分からない、です」
「これはね、ボクからの『礼儀の品』。君以外にも、他の…そう、別の分類たちにも、皆に渡しているんだよ」
そういうと、クレハはその石を慈しむように、そっと撫でる。どこか聖母を思わせる手つきである。それを見ていると、僕はやっぱり、一つのことを考えてしまう。
「あの」
「ん?何かな?」
「……[太字]あなたは何者でしょうか[/太字]」
クレハの目が”きょとん”とする。それはそうだ。突然、そんなことを聞かれてしまったら、誰だって類似した反応を返す。
「…どうして、かな?」
「そこまで難しく考えなくていいんです。けれど、僕の中で、ただそれだけの疑問が浮かんでしまいます。今のところ、僕の中で考える『圧倒的上位者』のような人は、ネラさんなんです。其処は、間違いありません」
僕はそこで、一息ついた。
「……でも、あなたはそれ以上の存在のように思える。あれほどネラさんに恭しく接してもらって、しかも今その手にある石のように、分類たちに『分け与える』存在でもある。…それと、これはあまり言いたくなかったんですが」
もう一度、クレハの[漢字]顔[/漢字][ふりがな]かんばせ[/ふりがな]を窺う。
常に何かを吸収し続けるようにきらめく、その琥珀色の瞳。いつしか人が忘れ去ってしまったような、『好奇』の色が交差しているように見える。そして、時折揺らめく瞳の中の“波”それが僕には、どうしても…ーー。
「――あなたは、僕を支配したいように見える」
クレハの目が、限りなく大きく広げられた。
続いて、口元がゆがむ。そして。
「あははははっ!――何それ、キミって本当に面白いんだね!」
大笑いをした。
開口一番、クレハの口から出たのは驚きのそれだった。
「…え?」
「だってほら…ね。ネラは、ボクのために[太字]つくってくれた[/太字]っていうし。……まあ、それ以外の意図があることくらい分かり切ってるんだけど」
僕の中で、いくつかの『点』が像を結んだ。
ネラが20年も待って僕を導いた理由。クレハというこの人物を大切に思う仕草。
ただ一途にクレハを想っていたことが、僕を呼び込んだ要因の一つに違いない。
僕はネラ=大図書館の、傲岸不遜な微笑みを思い浮かべ、その次にクレハの指をきつく絡めとっていたあの仕草を思い出す。
(……うん。やっぱり、ネラさんはクレハさんのこと、大好きなんだろうな……)
すると、クレハはどこからともなく綺麗な石を取り出した。宝玉、といったほうが正しいのかもしれない。
様々な方向から光を受けるたび、多彩な色を放つ石。クレハはそれを楽しむように、コロコロと手のひらの中で石を転がしていた。
「ふふっ。これ、何か分かるかな?」
「……分からない、です」
「これはね、ボクからの『礼儀の品』。君以外にも、他の…そう、別の分類たちにも、皆に渡しているんだよ」
そういうと、クレハはその石を慈しむように、そっと撫でる。どこか聖母を思わせる手つきである。それを見ていると、僕はやっぱり、一つのことを考えてしまう。
「あの」
「ん?何かな?」
「……[太字]あなたは何者でしょうか[/太字]」
クレハの目が”きょとん”とする。それはそうだ。突然、そんなことを聞かれてしまったら、誰だって類似した反応を返す。
「…どうして、かな?」
「そこまで難しく考えなくていいんです。けれど、僕の中で、ただそれだけの疑問が浮かんでしまいます。今のところ、僕の中で考える『圧倒的上位者』のような人は、ネラさんなんです。其処は、間違いありません」
僕はそこで、一息ついた。
「……でも、あなたはそれ以上の存在のように思える。あれほどネラさんに恭しく接してもらって、しかも今その手にある石のように、分類たちに『分け与える』存在でもある。…それと、これはあまり言いたくなかったんですが」
もう一度、クレハの[漢字]顔[/漢字][ふりがな]かんばせ[/ふりがな]を窺う。
常に何かを吸収し続けるようにきらめく、その琥珀色の瞳。いつしか人が忘れ去ってしまったような、『好奇』の色が交差しているように見える。そして、時折揺らめく瞳の中の“波”それが僕には、どうしても…ーー。
「――あなたは、僕を支配したいように見える」
クレハの目が、限りなく大きく広げられた。
続いて、口元がゆがむ。そして。
「あははははっ!――何それ、キミって本当に面白いんだね!」
大笑いをした。