大図書館の重厚な扉を押し開ける。
すると目の前には文字通り『図書館』が広がっている。吹き抜けの天井をガラスが覆い、存在を許す限りとめどなく収納されて行くだろう、無限に広がる本、本、本。
大学図書館や地元の図書館と比べ物にならないほどの、圧倒的存在感を放つ本の城が、僕を出迎えた。
僕は静かに歩み寄り、本棚に囲まれた装飾の多いドアに手を掛ける。
ネラからの受念を受けた後も、度々彼は僕に話しかけてきた。暇なのだろうかと思ったが、そうではないらしい。ただ、この金細工の装飾が施された豪奢な扉の先で待っていろ、と命令されたのである。
(何の用だろう…。「さっさと寝てしまえ」って言ったの、ネラのはずなんだけど)
僕は不思議に思いつつ、扉を開ける。
すると。
ライトグリーンの髪を編み込んだ、軍服を身に着ける人物――クレハが物腰柔らかに出迎えてくれた。
* * *
「うふふ。夜分遅くにごめんね…って言っても、君たちも歓迎会とやらで騒いだから、おあいこだよね」
「は、はぁ。……僕に何か、御用でしょうか」
「んー?…ただ、ボクは歓迎会に参加できなかったから、できるだけ早く、今、おしゃべりしたいと思っただけだよ?」
僕はその、つかみどころのない雰囲気に戸惑った。
そもそもの話、この20年余りの人生で『おしゃべりしたい』といわれたことは、一度足りもないのだ。常に人に背を向けて、ごく一部の人としか関わりを作ることができなかった僕に、『おしゃべりをしてもてなす』という特技はないのだ。
しかし、ネラが敬い尊重するこの人物に無礼を働いてしまった瞬間、僕は冗談抜きでネラに消されてしまうに違いない。
そうして、ぎこちないもののクレハとの対談が始まった。
すると目の前には文字通り『図書館』が広がっている。吹き抜けの天井をガラスが覆い、存在を許す限りとめどなく収納されて行くだろう、無限に広がる本、本、本。
大学図書館や地元の図書館と比べ物にならないほどの、圧倒的存在感を放つ本の城が、僕を出迎えた。
僕は静かに歩み寄り、本棚に囲まれた装飾の多いドアに手を掛ける。
ネラからの受念を受けた後も、度々彼は僕に話しかけてきた。暇なのだろうかと思ったが、そうではないらしい。ただ、この金細工の装飾が施された豪奢な扉の先で待っていろ、と命令されたのである。
(何の用だろう…。「さっさと寝てしまえ」って言ったの、ネラのはずなんだけど)
僕は不思議に思いつつ、扉を開ける。
すると。
ライトグリーンの髪を編み込んだ、軍服を身に着ける人物――クレハが物腰柔らかに出迎えてくれた。
* * *
「うふふ。夜分遅くにごめんね…って言っても、君たちも歓迎会とやらで騒いだから、おあいこだよね」
「は、はぁ。……僕に何か、御用でしょうか」
「んー?…ただ、ボクは歓迎会に参加できなかったから、できるだけ早く、今、おしゃべりしたいと思っただけだよ?」
僕はその、つかみどころのない雰囲気に戸惑った。
そもそもの話、この20年余りの人生で『おしゃべりしたい』といわれたことは、一度足りもないのだ。常に人に背を向けて、ごく一部の人としか関わりを作ることができなかった僕に、『おしゃべりをしてもてなす』という特技はないのだ。
しかし、ネラが敬い尊重するこの人物に無礼を働いてしまった瞬間、僕は冗談抜きでネラに消されてしまうに違いない。
そうして、ぎこちないもののクレハとの対談が始まった。