淡い少女
学校から少し離れた、人通りの少ないバス停で、
今日も一人佇む。
またやらかした。また嫌われた。また怒られた。
もう疲れてしまった。
いつも通り、気晴らしに小説サイトでハチャメチャな書き込みをする。
どうせ誰も見ていない。
目の前を、女子二人の楽しい雑談が無慈悲に通り過ぎる。
羨ましい。私にはあんな堂々とした、もはやヤケクソな態度や人生観は持ち合わせていない。
私もなにか癒やしが欲しい。
バスはまだ来ない。早く帰りたい。
しばらく気にせず、我慢していた気配を横目で見る。
,,,,⁉
ビックリした。人がいた。
危うくしっかり二度見するところだった。
こんなところに誰だ。
見ない顔の女子。いや、いちいちすれ違う人達の顔なんて見ていないから分からないが。
「な~に書いてるの?」
えっ、何? 見ないでよ。
「見えちゃった♪結構面白いじゃん。」
「いや,,,そんな、大したものじゃ,,,。」
視力の良い人って怖いな。
これが私となるちゃんの出会いだった。
奈留美だから、なるちゃんと呼ぶことをお願いされた。
彼女は毎日帰りのバス停で、気づけば立っていた。出身も、家のことも、何一つ教えてくれなかった。
ただ、いつもにこやかに私の愚痴を聞いてくれて、面白い解答をくれる。
もちろん私は毎日帰りが楽しみになった。
部活をサボって早めにあって、長話をしたり、
こっそり部見学に誘ってあの子かっこいい、なんて乙女心を共有したり、
地元じゃないと言うのでお気に入りの場所に連れて行ってあげたりした。
そうやって日々こなしていく内に、私も段々明るくなっていった。
彼女の小動物のような愛くるしさに私も癒やされたし、なるちゃんも私の話をキラキラした目で聞いてくれた 。
ほぼぼっちだった私に友達が出来た。
体の調子もあがってきて、バス停で待つことも少なくなってきた。
もうここには来られないかもしれない。
「,,,淡いね。」
ある日ふとなるちゃんが言った。
私は最初、珍しく映えている夕日のことかと思った。
「,,,私が。」
「,,,?」
「私ってあなたの夢みたいじゃない?夕方に現れて、あなたの帰り際を彩る、淡い夢。」
「なんだか素敵。」
「でしょ?それで、バスが来ると、ほろほろ崩れていっちゃう。でも、あなたの記憶に残る。」
「,,,,。」
「そんな悲しいような顔しないでよ。また会いにくればいいじゃん。私はいつでも"あなたにいる"から。」
,,,,。
それから数日経って、あの子は来なくなった。
修理に出していた自転車が復活したらしい。
このバス停は通り道ではなかった。
もう私のことも忘れたのだろう。
私が来てから、あの子は随分変わった。
明るくなった。
彼女は新しい相手を見つけたのだ。
最後のバス停で、嬉しそうに叫んでいた。
あぁ解けていく。あの子は今頃どうしているだろう。
柱がなくなった美しい宝石が、今崩れていく。
あの子のためになったなら。少しでもなにかを残せたら、それでいい。
私は私を生きている。
私は
少女は 淡い。
今日も一人佇む。
またやらかした。また嫌われた。また怒られた。
もう疲れてしまった。
いつも通り、気晴らしに小説サイトでハチャメチャな書き込みをする。
どうせ誰も見ていない。
目の前を、女子二人の楽しい雑談が無慈悲に通り過ぎる。
羨ましい。私にはあんな堂々とした、もはやヤケクソな態度や人生観は持ち合わせていない。
私もなにか癒やしが欲しい。
バスはまだ来ない。早く帰りたい。
しばらく気にせず、我慢していた気配を横目で見る。
,,,,⁉
ビックリした。人がいた。
危うくしっかり二度見するところだった。
こんなところに誰だ。
見ない顔の女子。いや、いちいちすれ違う人達の顔なんて見ていないから分からないが。
「な~に書いてるの?」
えっ、何? 見ないでよ。
「見えちゃった♪結構面白いじゃん。」
「いや,,,そんな、大したものじゃ,,,。」
視力の良い人って怖いな。
これが私となるちゃんの出会いだった。
奈留美だから、なるちゃんと呼ぶことをお願いされた。
彼女は毎日帰りのバス停で、気づけば立っていた。出身も、家のことも、何一つ教えてくれなかった。
ただ、いつもにこやかに私の愚痴を聞いてくれて、面白い解答をくれる。
もちろん私は毎日帰りが楽しみになった。
部活をサボって早めにあって、長話をしたり、
こっそり部見学に誘ってあの子かっこいい、なんて乙女心を共有したり、
地元じゃないと言うのでお気に入りの場所に連れて行ってあげたりした。
そうやって日々こなしていく内に、私も段々明るくなっていった。
彼女の小動物のような愛くるしさに私も癒やされたし、なるちゃんも私の話をキラキラした目で聞いてくれた 。
ほぼぼっちだった私に友達が出来た。
体の調子もあがってきて、バス停で待つことも少なくなってきた。
もうここには来られないかもしれない。
「,,,淡いね。」
ある日ふとなるちゃんが言った。
私は最初、珍しく映えている夕日のことかと思った。
「,,,私が。」
「,,,?」
「私ってあなたの夢みたいじゃない?夕方に現れて、あなたの帰り際を彩る、淡い夢。」
「なんだか素敵。」
「でしょ?それで、バスが来ると、ほろほろ崩れていっちゃう。でも、あなたの記憶に残る。」
「,,,,。」
「そんな悲しいような顔しないでよ。また会いにくればいいじゃん。私はいつでも"あなたにいる"から。」
,,,,。
それから数日経って、あの子は来なくなった。
修理に出していた自転車が復活したらしい。
このバス停は通り道ではなかった。
もう私のことも忘れたのだろう。
私が来てから、あの子は随分変わった。
明るくなった。
彼女は新しい相手を見つけたのだ。
最後のバス停で、嬉しそうに叫んでいた。
あぁ解けていく。あの子は今頃どうしているだろう。
柱がなくなった美しい宝石が、今崩れていく。
あの子のためになったなら。少しでもなにかを残せたら、それでいい。
私は私を生きている。
私は
少女は 淡い。
クリップボードにコピーしました