気になる人は小説のよう
何とはなしに気になっていた人が、目の前にいる。
葵(あおい)楠木(くすのき)。
彼は文芸部の部長である。
ちなみに私は、絶賛文芸部に入ろうと思っている4月の中学1年生だ。
私が彼を気になっているのは、別に恋愛とか実は生き別れの兄弟っぽいとか、そういう激アツ展開になりそうな理由からじゃなくて。
ただ、小説そのもの、文芸そのもの、みたいな彼の雰囲気が気になっているのだ。
なぜか?
答えは簡単。
私も、同類だからだ。
でも、いくら同類だからといっても、なぜ私の前に今彼がいるのかわからない。
そう思っていると。
「ねえ、君」
と、声をかけられた。
ふりむくと、何だかんだと顔の良い彼の顔が思いのほか近くにあって、思わず一歩後ずさる。
しかも、人の良さそうな笑みまで浮かべているのだ。
もし他の女子生徒がいたら、きっと倒れているのだろうと思う。
こうやって1人で思索にふけるという私の悪いくせにしびれを切らしたのか、彼は私の顔を覗き込んできた。
そして、ささやいた。
「文芸部に、入らない?」
と。
これが、私が彼の人生に巻き込まれ始めた瞬間である。
葵(あおい)楠木(くすのき)。
彼は文芸部の部長である。
ちなみに私は、絶賛文芸部に入ろうと思っている4月の中学1年生だ。
私が彼を気になっているのは、別に恋愛とか実は生き別れの兄弟っぽいとか、そういう激アツ展開になりそうな理由からじゃなくて。
ただ、小説そのもの、文芸そのもの、みたいな彼の雰囲気が気になっているのだ。
なぜか?
答えは簡単。
私も、同類だからだ。
でも、いくら同類だからといっても、なぜ私の前に今彼がいるのかわからない。
そう思っていると。
「ねえ、君」
と、声をかけられた。
ふりむくと、何だかんだと顔の良い彼の顔が思いのほか近くにあって、思わず一歩後ずさる。
しかも、人の良さそうな笑みまで浮かべているのだ。
もし他の女子生徒がいたら、きっと倒れているのだろうと思う。
こうやって1人で思索にふけるという私の悪いくせにしびれを切らしたのか、彼は私の顔を覗き込んできた。
そして、ささやいた。
「文芸部に、入らない?」
と。
これが、私が彼の人生に巻き込まれ始めた瞬間である。
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