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さぁ、人生というステージで

昔々ある村では演劇が人々に忘れかけられていた。

笑顔も消えていき廃墟のような村。

スラム街もあり子供が泣く声が哀しい音楽のように聞こえてくる。

人々は家から出ず愉快な音楽も消えかけていた。

「このままではダメだ!」

そう言って立ち上がった男が一人。

「一緒に劇をしないか!?」

にこやかに大きな声で皆に語りかけるが反応する人は一人もいない。

皆聞こえていないかのように過ぎ去った

その活動が始まり半年が経とうとしていたころ。

「このままではこの村は誰も人が寄り付かなくなる。でもどうすれば?」

大きなため息が男の足元に重たく落ちる。

床に座り込み考えていると目の前に空の缶が転がってきた。

「なんだこれは?」

「あ…」

立ち上がって目の前をみるとつぎはぎだらけの服を着たガリガリの少女が一人。

「ん…」

金髪の髪の毛も手入れが入ってないためボサボサ。

頬も痩けてほぼ骨のようだった。

すると返せと言うように空の缶を指さす。

「これは何も入ってないが?」

渡すためにその少女に近づくと目が合った。

顔があまり見えなかったため気が付かなかったが少女の目は大きく群青色だった。

すると少女のお腹の音が鳴った。

「腹がへってるんだな。」

少女が小さく頷く。年齢は5、6歳だろうか。

「誰か他にいないのか?」

少女が首を傾げる。

「いないのか…」

すると男は何か思いついたように少女を見た。

「君、うちに来ないか!?」

急な大声に少女がびっくりして後ずさる。

「あ、驚かしてしまったか、」

そう。この子を役者に育てればまたこの村に光が宿ると考えたのだ。

「俺の家なら食べ物もたくさんある。幸せになれるぞ。」

"食べ物"という言葉に反応したのか少女が顔を上げ頷く。


「ここが俺の家だ。君の家だと思ってすごしなさい。」

男は金持ちだった。

「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はジョン・セーヌだ。お前は…」

少女は首を横に振る。

「おいメイド!」

「はい!」

「この子を育てようと思うのだが、」

「こんなボロボロの少女をですか!?え…」

来た2、3人のメイドが顔をしかめる。

すると奥にいたメイドが手を上げた。

「私が育てます。」

「良いのか!?」

「旦那様のことです。役者に育てるとでも言うのでしょう。」

「正解だ。」

「そんなキメ顔で言わないでください。」

仕方ないですねというように苦笑いした。

「では行きますよお嬢様。」

そう言って汚れを落とすために少女の手を引いて風呂場へ行った。

「残りのメイドは少女の日用品や食事を用意してくれないか?この通りだ!」

そう言って勢いよく土下座をする。

「旦那様。すぐ土下座する癖をお辞めください。」

「本当に言い出したら聞かないんですから。」

残りのメイドも同じように苦笑いした。


「私をお母さんと思ってください。」

少女は風呂に入ったあと綺麗なレースの服を着て食事に呼ばれた。

出されたのはシチューだった。

ゴロゴロと野菜や肉が入ったシチューはまるで宝石のよう。

湯気が立ち良い匂いが少女の鼻に入り、少女の目を輝かせる。

「喉に詰まらせないようにな。」

少女の目がサファイアのように輝き皆の目を惹く。

この子はきっと化ける…そう男は考えていた。

「そういえばお嬢様の言葉はなんですか?」

「あ、そういえばそうだな。名前をつけなければいけないな。何が良いと思う?」

「そうですね。目がとても綺麗なので青みたいな名前が良いかと。」

「セレスト…セレスト…そうだ!セレニアはどうだ!?」

「空色を意味するセレストから。良いですね。」

「では今日から君はセレニアだ!」

少女はそれを聞き太陽のような笑顔を浮かべた。


数ヶ月後。

「旦那様!」

「どうした?そんなに必死な顔して、」

「この子字も読めない、言葉も話せない子です!」

「では教えていくしかないな。俺も明日教えてやるとするか。」

「役者のレッスンは…」

「合間にでもするとしよう!」

「本当にもう…」


またまた数ヶ月後。

「お父様、」

「話せたな!すごいぞセレニア!」

わさわさと髪を撫でる。

「くすぐったいです、お父様。」

「ははは!セレニアはきっと良い子に育つ!メイドのおかげだな!」

「いえいえ、この子の覚えが早かっただけですよ。」


そういって平和な暮らしは続いていった。

セレニアは美女に育ちもうすぐ16歳。

だが幸せが続くわけでは無い。

「お父様!」

「どうした。そんなに急いで。」

「お母様が病気って本当ですか!?」

ジョンは本を静かに閉じて本棚に戻した。

「…どこで知ったんだ?」

「皆が話しているのを聞いてしまって…」

「そうか…」

「お母様は、お母様はもうよくならないんですよね!?」

「…そうだ…」

「そんな…」

ポツポツと涙が溢れる。

「お医者さんにお願いしたのだがもう無理だと…」

「どうして…どうして私に言ってくれなかったんですか!?」

「私も彼女もセレニアの悲しむところを見たくなかったんだ、すまない。」

「だからって……」

「でも、泣くことは悪い事ではない。セレニアは彼女をそれだけ愛していた。俺は嬉しいよ。」

そう言ってジョンはセレニアの涙を拭った。


「お母様。調子はどうですか?」

「元気よ。運動したいぐらいだわ。」

「お母様ったら。」

「最近練習はどう?上手くいってる?」

「はい。上手くなってます!」

「覚えておいて欲しいことがあるの。」

「え…?」

「貴女はちゃんと努力ができる人。どんな状況になっても自分を信じ抜くの。わかった?」

「わかりました。」

するとメイドのベッドに水滴が落ちる。

「どうしたの急に。」

「お母様がそんなこと言うから…」

「泣く必要ないじゃない。もう。」

そう言って仕方なさそうに頭を優しく撫でた。

「私、聞いたんです。治らないんですよね?」

「……そうね。」

「……」

「大丈夫。大丈夫。私は貴女をずっと見ているわ。」

するとセレニアは子供のように泣き出した。

「あら、あら。もう赤ちゃんじゃないんだから。」

「だって…だって…」

「大丈夫、大丈夫よ。」

「セレニアお嬢様ー!練習のお時間です!」

「あら、練習の時間だって。頑張ってね。」

そう言って優しい笑顔で頭を撫でた。

「私の言葉。忘れないでね?」

「わかりました。」

そう言ってセレニアは部屋を出た。

その時ちょうど外の枯葉が一枚。完全に散った。

セレニアはこの会話が最後の会話になるなんて思ってもいなかっただろう。


それから4年後。

「セレニア!誕生日おめでとう!」

「ありがとうございます!」

「言いたいことがあるんだ。」

「はい…?」

「20歳ぐらいになると言おうと決めていたんだ。」

セレニアは何か嫌な予感を感じ、口を閉じた。

「実は俺と彼女はお前の親じゃないんだ。」

「え…」

セレニアは頭の中で整理ができていないように目を見開いた。

「俺はセレニアをスラム街で拾ったんだ。メイドは一番最初にセレニアを世話したメイド。」

「そんな…」

「今まで言えていなくてごめんな、」

「ごめんなさいお父様、私一人になりたいです、」

「わかった。」

重いドアが音を立てて閉まる。

悲しいメロディをたてて。

「お父様とお母様は本当の親ではなかったの…?」

「そんな、そんな…」


「私はなんて呼べば良いですか?」

「そのままお父様で良いよ。彼女もそれを望んでいるさ。」

「たとえ、血は繋がっていなくとも私のお父様とお母様でいてくれますか?」

「もちろんさ。」[小文字]「もちろんよ。」[/小文字]

「え、」

「どうした?」

「今、お母様の声が、」

「見守ってくれてるんだよ。」

「そうですね。」


「セレニア!新しい台本だ!」

「これは冒険物ですか?」

「そうだ!」

「勇者が魔王を倒す。テンプレートだが色々珍しい物を入れているからきっと演じるのも楽しいぞ!」

「頑張ります!」

セレニアは成人すると演劇に力をもっと注ぐようになった。

しかし他の村からも劇と聞き人がやってきた。

もちろんライバルもできた。

「あら、私の方が出る時間が長いわ。私の方が上手いからかしら?」

私は努力ができる。私を信じて。

「そうですわね。」

だんだん村に活気が戻ってきた。

「お父様!劇にミュージカルを入れてみるのはどうでしょう!?」

「良い案だな。でも練習がキツくなるが頑張れるか?」

「はい!がんばります!」


「私が案内しますわ。勇者様。」

「♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜」

「劇も上手くなってきたし歌も上手くなってきたな。」

「はい。でもお父様のおかげです。」

「お前に何回救われたか。ありがとうな。」

「私にとってお父様とお母様は命の恩人。こんなのちょっとですよ。」

ジョンは太陽のように大きく笑った。

「でも本当に感謝はしているさ。」


「どうしてあんな女が褒められるのよ。」

陰から見ていたライバルは小さく呟いた。

「あら、こんにちは。」

「へ!?あ!こんにちわ!」

「新しい台本をもらってきましたわ。」

ライバルは台本を読むとびっくりしてセレニアに声をかけた。

「私たちが双子でヒロインってどういうこと!?」

「そういうことですわ。」

「で、でもまぁ、私の方が上手なので足を引っ張らないでくださいね?」

「わかってますよ。」

「良いライバルを持ったな…」

そのライバルはセレニアの良き友。親友となっている。

「これ、誕生日なんでしょ。」

「え!良いの!?ありがとう!」

「お金が余ったから買っただけよ!勘違いしないでね!」

村では音楽が奏でられ、人々は踊り出した。

喧嘩が起きることもあったが平和な村に戻った。

彼女とジョンとメイドの生涯は『[漢字]人生[/漢字][ふりがな]ステージ[/ふりがな]』という名前で劇になったりもした。

彼女はお金をスラム街に寄付し、減らすよう努力した。

すると外国からも寄付が届き、スラム街は無くなった。

子供の笑い声が響き渡る。

セレニアは自分を信じ、どんなことがあっても前を見続けた。

そんな姿が拡散され、今では有名人。

「お父様!」

「どうした?」

「私今日晩御飯作りたいです!」

「それならメイドが作ってくれるじゃないか。」

「私が作りたいんです!」

「そうか。では俺も手伝ってあげよう。」

「いいえ!お父様はそこでゆっくり見といてください!」

「何を作るつもりなんだい?」

「シチューです!」

作者メッセージ

なんか最後雑ですね笑。
劇楽しそうです…

2024/11/19 00:20


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