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弟は男に恋をしているようで

「お兄ちゃん、僕好きな人ができたんだよね」


「…え?」


あの2次元と結婚するとかいってた弟が、好きな人ができたらしい。


それも玄関前の朝に



「おう、俺は応援してるぞ!」




弟17歳、俺23歳


3人兄弟の弟は末っ子で、俺は長男だ。ちなみに次男は20歳。


弟はT(イニシャル)、次男のほうの弟はF(イニシャル)


高校生ってのはいいもんだ。


俺は社会人2年目絶賛多忙期。


忙しいので、それ以上弟の会話はなく、時が過ぎていった。





「お兄ちゃんってよぶのって子供かな?」


また急に会話が始まり、戸惑う。


今度は休日。


ご飯を用意しているところだった。


「あ~、F(イニシャル)は13歳くらいから兄貴になったなぁ~、でもどうして?」


「す、好きな人に、”いつまでもお兄ちゃんってのはなぁ…”って言われて…」


また、好きな人。


[漢字]初心[/漢字][ふりがな]うぶ[/ふりがな]でいいが、それに囚われるのもな。


「まぁ、ありのままのお前がいいと思うぞ!」


そういうと弟は照れた。


「うん…頑張る。」






なぜだか、暗い様子の弟。


また好きな人で何かあったのだろうか。


「お兄ちゃん、僕ってわかりやすいの?」


まただ。


今回は就寝前に言われた。


「また好きな人か?」


「べっ、別にそんなんじゃないし…!」


図星か、


「お前はすぐ照れるな~w」


「わかりやすいな!」


そういってやれば、後日からはポーカーフェイスを使うようになった。


全然できてないが。









「今週も疲れた~!」


金曜日、珍しく仕事が早く終わり、帰路についていた。


夕方とか、久しぶりだな~。


そうボケーんと歩いていると、前方に弟の姿が見えた。


見たこともない笑顔で笑い、幸せそうな顔をしている。


(ははーん?隣に誰かいるな?)


そう思い、車道によって、目を凝らす。


あんな顔するんだ、好きな人に決まってんだろ。


でも、見えたものは、予想もしない、







男だった。






「…はは」


弟に出くわさないように、寄り道して帰った。






「お兄ちゃん、僕今日初めて一緒に帰れた!」


もはや天国、といわんばかりに幸せそうだ。


今までの暗い雰囲気をすべてぶち壊すみたいな感じだった。


ああ、見てなければ、純粋に喜べたんだがな。


「…どこが好きなんだ?」


「意外と本能に従うところ?とか」


今思えば、いろいろおかしかったんだ。


“いつまでもお兄ちゃんってのはなぁ…“


思い出した言葉が流れる。


今思えば変だ。


荒っぽい女性なのかと心配も少したが、男性となれば話が別だ。





弟は、男が好きなんだ。





衝撃と、ショックみたいなものがまじりあった、ぐちゃぐちゃの感情になる。


その中には、憐れみはあっただろうか。



弟の恋を応援できない兄がいること、


それを受け入れない世の中があること。


そして、その相手の気持ち。



俺は初めて、泣き寝入りってものをした。








月日が立って、12月。


弟はこの世の終わりのような顔で、俺に話した。


「フラれちゃった。」


涙をこらえる弟を慰めようとした。


でも、それができなかった。


「ほ…ほんとは僕、女の子じゃなくて、男の子に恋して、たの。」


喉の奥がキュッと詰まって、重たくなった。


同時に弟が泣いたのが分かった。


「やっぱ、り、叶わ ないよっ…。」


ぼたぼたと弟の目から落ちてくる涙が、床に落ちる。


無慈悲にも、涙はぽろぽろと落ちれいく、


「なんでっ 僕はこん、な 苦しまなくちゃ…いけ、ないの!」


ひっく、ひっくと泣き、弟は言う。


「僕はっ…し、幸せに なっちゃ、駄 目なのっ?」




弟はそれ以上、何も言わなかった。


いったところで、無駄なのだ。





哀れな弟に幸あれ。

作者メッセージ

ノンフィクションです。

弟がは今のところ元気です。

2024/12/03 16:41

meme
ID:≫ 5o06WIxahowac
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