二人の間に流れたわずかな穏やかさは、唐突に鳴り響いた「不協和音」によって打ち砕かれた。
「───っ! 結城さん、下がって!」
蒼井先輩の鋭い声が響く。
彼女の耳元で揺れるイヤリングが、見たこともないほど禍々しく、赤黒い光を放って震え始めた。
「これ、何の音ル!? 耳が痛いル……っ!」
ルースが必死に耳を塞ぎ、ひかりの胸元に逃げ込む。
公園の街灯がまたたき、影が異様に長く伸びていく。
その影の中から、ゆっくりと這い出してきたのは、これまでの敵とは比べものにならないほど濃密な闇を纏った「欠片」だった。
「……嘘でしょ。さっき倒したはずなのに、再生してる?」
「いいえ、違うわ」
蒼井先輩は、ひかりを庇うように一歩前へ出た。
その横顔はいつになく険しく、わずかに唇を噛み締めている。
「真実の音が告げているわ……これは、私たちの『心の隙間』を喰らって増幅する、最悪の術式。結城さん、変身しなさい。……今度は、本当に命を落とすことになるわよ」
蒼井先輩の言葉に、ひかりの手が震える。
闇の影は、二人がさっきまで歩いていた平和な帰り道を、冷酷に侵食し始めていた。
「───っ! 結城さん、下がって!」
蒼井先輩の鋭い声が響く。
彼女の耳元で揺れるイヤリングが、見たこともないほど禍々しく、赤黒い光を放って震え始めた。
「これ、何の音ル!? 耳が痛いル……っ!」
ルースが必死に耳を塞ぎ、ひかりの胸元に逃げ込む。
公園の街灯がまたたき、影が異様に長く伸びていく。
その影の中から、ゆっくりと這い出してきたのは、これまでの敵とは比べものにならないほど濃密な闇を纏った「欠片」だった。
「……嘘でしょ。さっき倒したはずなのに、再生してる?」
「いいえ、違うわ」
蒼井先輩は、ひかりを庇うように一歩前へ出た。
その横顔はいつになく険しく、わずかに唇を噛み締めている。
「真実の音が告げているわ……これは、私たちの『心の隙間』を喰らって増幅する、最悪の術式。結城さん、変身しなさい。……今度は、本当に命を落とすことになるわよ」
蒼井先輩の言葉に、ひかりの手が震える。
闇の影は、二人がさっきまで歩いていた平和な帰り道を、冷酷に侵食し始めていた。