空を覆った灰色の霧が、街の色彩を奪っていく。
人々の心から「好き」や「憧れ」の気持ちが吸い取られ、宝石店の中までくすんだ灰色に染まっていく。
「無駄だ。そんな小さな原石(ルース)ひとつで、この世界の虚無は埋められん」
影の中から現れた怪人が、ひかりを冷たく見下ろす。
彼の指先から放たれた黒い衝撃が、ひかりのすぐそばで地面を砕いた。
「ひかり、逃げるル! まだ目覚めていないあなたじゃ、勝てないル!」
震える妖精ルースを抱きしめ、ひかりは歯を食いしばった。
膝が震えている。
…怖い。
でも、それ以上に……胸の奥がチリチリと熱かった。
「……勝てないとか、似合わないとか。さっきから、誰が決めてるの……?」
ひかりは、ショーウィンドウに反射する自分の姿を見た。
自信がなくて、いつも一歩引いて、キラキラしたものに手を伸ばすのを諦めていた自分。
「私が、私を『ダメだ』って思ってた。……でも、この子(ルース)は私を信じてくれた。だったら、私は私の味方になりたい! 私が私を、誰よりも輝かせてみせる!」
その瞬間、手首の『エンゲージ・ブレス』が、鼓動に合わせるように白熱の光を放った。
「ル、ルース……力を貸して!」
「分かったル! 絆の証をコネクトするル!」
ルースがまばゆい光のチャームへと姿を変え、ブレスの中央にカチリとはまり込む。
精密な時計仕掛けが動くような、心地よい金属音が響いた。
[斜体]「輝きを、絆の証に! プリキュア・オープン・マイ・ハート!」[/斜体]
ひかりの足元から、光の波紋が広がる。
まず、白い光の糸が編み上げられ、凛としたシルクのドレスが形成されていく。
次に、指先にダイヤモンドの粉末のような光が宿り、小さな花のリングを形作った。
そして最後───。
ひかりの頭上に、まばゆいばかりの純白の王冠が現れる。
「───世界でたった一つの輝き。私が、一生守り抜く!」
霧が晴れた。
そこに立っていたのは、臆病な少女ではなかった。
ダイヤモンドの気高さを瞳に宿し、光り輝くティアラを戴いた戦士。
[太字][斜体][大文字]「希望の[漢字]冠[/漢字][ふりがな]ティアラ[/ふりがな]! キュアティアラ!」[/大文字][/斜体][/太字]
「プリキュアだと……!? くだらん、ただの飾りになにができる!」
怪人が再び影の牙を放つ。
しかし、キュアティアラは逃げなかった。
「これは、ただの飾りじゃない。……私が私に誓った、勇気の証なんだから!」
彼女が拳を握ると、ティアラから溢れた光が右手に集まり、一本の美しいロッドへと姿を変えた。
今、アクセサリーをめぐる、自分を愛するための物語が幕を開ける───。
人々の心から「好き」や「憧れ」の気持ちが吸い取られ、宝石店の中までくすんだ灰色に染まっていく。
「無駄だ。そんな小さな原石(ルース)ひとつで、この世界の虚無は埋められん」
影の中から現れた怪人が、ひかりを冷たく見下ろす。
彼の指先から放たれた黒い衝撃が、ひかりのすぐそばで地面を砕いた。
「ひかり、逃げるル! まだ目覚めていないあなたじゃ、勝てないル!」
震える妖精ルースを抱きしめ、ひかりは歯を食いしばった。
膝が震えている。
…怖い。
でも、それ以上に……胸の奥がチリチリと熱かった。
「……勝てないとか、似合わないとか。さっきから、誰が決めてるの……?」
ひかりは、ショーウィンドウに反射する自分の姿を見た。
自信がなくて、いつも一歩引いて、キラキラしたものに手を伸ばすのを諦めていた自分。
「私が、私を『ダメだ』って思ってた。……でも、この子(ルース)は私を信じてくれた。だったら、私は私の味方になりたい! 私が私を、誰よりも輝かせてみせる!」
その瞬間、手首の『エンゲージ・ブレス』が、鼓動に合わせるように白熱の光を放った。
「ル、ルース……力を貸して!」
「分かったル! 絆の証をコネクトするル!」
ルースがまばゆい光のチャームへと姿を変え、ブレスの中央にカチリとはまり込む。
精密な時計仕掛けが動くような、心地よい金属音が響いた。
[斜体]「輝きを、絆の証に! プリキュア・オープン・マイ・ハート!」[/斜体]
ひかりの足元から、光の波紋が広がる。
まず、白い光の糸が編み上げられ、凛としたシルクのドレスが形成されていく。
次に、指先にダイヤモンドの粉末のような光が宿り、小さな花のリングを形作った。
そして最後───。
ひかりの頭上に、まばゆいばかりの純白の王冠が現れる。
「───世界でたった一つの輝き。私が、一生守り抜く!」
霧が晴れた。
そこに立っていたのは、臆病な少女ではなかった。
ダイヤモンドの気高さを瞳に宿し、光り輝くティアラを戴いた戦士。
[太字][斜体][大文字]「希望の[漢字]冠[/漢字][ふりがな]ティアラ[/ふりがな]! キュアティアラ!」[/大文字][/斜体][/太字]
「プリキュアだと……!? くだらん、ただの飾りになにができる!」
怪人が再び影の牙を放つ。
しかし、キュアティアラは逃げなかった。
「これは、ただの飾りじゃない。……私が私に誓った、勇気の証なんだから!」
彼女が拳を握ると、ティアラから溢れた光が右手に集まり、一本の美しいロッドへと姿を変えた。
今、アクセサリーをめぐる、自分を愛するための物語が幕を開ける───。