odrkside
od「ただいま ~ 」
玄関の扉がギィ、と軋む
あんこの甘い匂いが漂っている
この間に作ってくれたぜんざいかな〜とか、ワクワクしながらリビングへ急いだ
ガチャ、とリビングの扉は軋むことなくスッと開いた。
tt「おかえ⋯」
[小文字]「り ッ ... 」[/小文字]
そこにはキッチンでエプロンをつけながら料理をする先輩がいた。
あたしの顔を見て、なんでかな。
先輩の顔は青白くなる。
od「今何作ってるの ~ ? ぜんざい ? 」
tt「 ... [小文字]いや[/小文字] 、 あぁ 、 うん ... 」
od「やった ~ !! 」
「手ぇ洗ってくるね ッ !! 」
tt「 ... 待てよ」
od「ふぇ ッ ? 」
tt「何でいんだよ」
od「 ... は」
「いや ッ ... え ッ ? 」
tt「odrkさんはもういないんだけど」
od「ッ ... 何言ってるのだ 、 ? 」
tt「 ... 誰だよ 、 お前」
od「あたしは、odrkなのだ ッ ... 」
勿論、これは嘘じゃない。大事なメンバーに、嘘をつく筈がない。
...でも、どうして?
冷や汗が止まらないの
あたしは、odrk
そう、そうだよ
あたしがodrkじゃないなんて
そんなの、受け入れられない
od「そっ 、 そんな事聞いてくる先輩こそ ... ホントに先輩なのだッ ... !? 」
tt「... そう質問するほうが怪しいけどねぇ」
何で、あなた先輩じゃない
先輩はあたしのコト信じてくれるもん
tt「 ... 誰なんだよ 、 結局」
先輩の痛い視線があたしの心を刺してくる。
od「それは ッ こっちのセリフなのだぁ !!! 」
「先輩は あたし のコト信じるもん」
「だからアンタは先輩じゃないのだ !!! 」
tt「もう 、 やめようよ」
od「何が ッッ !? 」
tt「もう 、 いいでしょ ? 」
od「だから ッ 」
tt「もう大丈夫だから」
「もう 、 楽になっていいんだよ」
od「 ッ ... 」
tt「これ以上 、 ここに縛られないで」
「本当に 、 odrkさんじゃなくなっちゃうよ ッ ... 」
あたしの頬を優しく、すぅっと撫でる
先輩の言葉の意味は分からない
でも、さっきみたいに怖い先輩じゃない
優しい、いつもの先輩だ
でも、声がちょっと震えてるような気がするの
どうして?
怖い?
あたしが、怖かった...?
tt「俺 “達” は大丈夫だから」
「安心して」
od「... ? 」
tt「 ッ ... 、 向こうで待っててよ」
[小文字]「多分 、 俺は 、 すぐに行っちゃうから ... 」
[/小文字]
先輩が涙を流す。
我慢してるようで、できてない
『泣かないで』
いいたかったけど、不思議と声が出なかった
先輩はあたしに抱きついてきた
...何でそんなに悲しそうなの...
『先輩、何で泣いてるの ? 』
また、喉を通らないあたしの声
今度は視界も歪んできた
くらくらするなぁ
ちょっと、眠くなってきちゃったかも
あんなに先輩に言っておいて、虫がいいなぁ
でも、ごめんね
あたし、ちょっとお昼寝したい
『おやすみ、先輩』
声には出ないけど、確かに言った
お別れの言葉
ttmr side
odrkさんの体が消える
誰だよなんて、真っ赤な嘘
勿論、odrkさんなのはわかってる
こうでもしないといなくならないんだよね
未練を、消してあげないとだめらしい
odrkさんは、許してくれるだろうか
「...」
こんなで良かったんだろうか。
気持ちよく眠れたかな
odrkさんと会えたのは嬉しかった
「 ... ごめんね」
聞こえてないんだろうなぁ、俺の声