文字サイズ変更

アブ ―9― ナイン

#2

危ない! 危険だよ、全員集結。

玄関から音を消して外に出る。
スマホを見ると、深夜11時だ。
指定された公園はここから歩いて40分ってとこかな。

小さな住宅街から抜けると、護身のために呼んだ友達が来ていた。
暗くてよく見えなかったからビックリした。

「脅かすなよ。真っ暗何だから声ぐらい上げろよ。」

「女の小とデートするんだって?うらめしや〜。」

「うるせぇ。」

こいつは[漢字]怜[/漢字][ふりがな]さと[/ふりがな]。
俺の唯一の親友だ。
多分、怜の俺は俺の怜以上の大親友だ。
その証拠にこいつは俺の秘密をあらかた知ってる。
もちろん俺も,,,,。

「なぁ、どこ行くんだ?」

「あ市の△公園。知ってるだろ?ちょっと前に幽霊が出たっていう。」

「そんなちんけな公園で、女の子と肝試し?」

「ちげぇよ。」

俺と怜の足音が道に響く。
他には誰もいないのに、怜は俺のすぐ隣を歩く。

「なんか、夜に外歩くって気持ちいいな。」

「認知症か?」

「ひでぇ。」

「へへ。(笑)」

本心で言ったのに、若干引かれた。
ひでぇ。

「何真に受けてんだよ。」

「受けてねぇよ。」

「ふーーーーん。」

長い。
?
何か既視感があると思ったら、
あのおねぃすぁんだ。
思い出すと少し緊張してきた。

「,,,どした?」

「へ!?いや、どんな、人、かな〜って。」

「大体声で分かんない?」

「わ,,,かんない。」

あの声を思い出す。
妙に深みのあるお姉さんボイス。
いや、おねぃすぁんボイス。
異常な嘘臭さは、良いとして。
そこに、あの咳からの、
透けるような地声。
まるでガラス張りの温水プールのような,,,
ヤバい。フェチになりそう。

「――おい!お〜いっ!![漢字]将真[/漢字][ふりがな]しょうま[/ふりがな]っ!!」

「声フェチ,,,かっ♡」

「お い !!!!」

「ふわぁぁふぁい!?!?!?!?」

耳元で叫ばれて現実に戻る。
一瞬、
怒る怜がとまだ架空のお姉さんが重なって焦った。

「何考えてんだよ! キモすぎだろ!!」

「ごめんなしゃいです。」

怜のこんな冷酷な顔、初めてだ。

「全く,,,,でさ、絶対これ道間違えてるだろ。」

「,,,,,,ありゃ?本当だ。」










「はぁ〜歩き疲れた〜。」

「お前が道間違えるからだろ。,,,,お?」

例の公園を見ると、なんと他にも人がいた。
瞬時戸惑ったが、最初の声でもう気づかれてるようだった。

「えと、肝試し、ですか?」

「あ、いや、違います。」

一番手前にいた眼鏡の痩せ男が答えた。
別にキモくはないけど、
いかにもおねぃすぁんに釣られそうな感じだ。
チラッと怜を見ると、そんな顔をしていた。

「え、あんさんは肝なの?」

「僕らも、違くてぇ,,,」

眼鏡の隣にいた、
ショートの清楚女子が口を開いて僕はビックリした。
いかにも優しげな丸い瞳に美形な顔にいかにもアホそうな口調。

「ボイスチャットで女の子が誘ってきたから見にきました。」

怜が堂々と言う。
何その、
先生、フラスコに消しゴム入れたら取れんくなったよ。
みたいな感じ。
怖くないの?

「やっぱり。」

「まだいたんだ。人。」

初対面の空気が風に飛ばされて、
顔が緩んで眼鏡とショートが口を滑らせる。

「てことはここ皆、」

「皆おねぃすぁんに呼ばれたんだよ。おねぃすぁんにね。」

奥にいた暗い雰囲気のイケメンが何気なく言う。
何だかニヤついていて、
しゃしゃり出るというのが似合っていて何か気まずつくなった。

「ヤバくね?(笑)」

そんな空気も風に飛ばしたのは、意外に、
怜だった。

「おねぃすぁんなんて、そんなやつ絶対おばさんじゃん(笑)」

何か、嬉しそうだ。

「それすごい面白いね。」

「そんなこと言わないでくれ。」

イケメンの手前にいた大人な雰囲気の女性が笑い。
女性と同い年くらいの男性がため息をついた。
大学生くらいの二人は高校の俺達が勝てそうにない不思議なオーラを感じる。
男の方は勝てそうだ。何かヨボヨボしている。

そういえば、怜はお姉さんの声を聞いてなかったっけ。

「こいつあの人の声聞いたことないんですよ。」

「お友達なの?」

「男二人で、こんな夜に。いいな〜。青春だな〜。」

制服姿のロングの女子が訝しんで、
パジャマを着た気怠げな男が感嘆する。
ロングの子は知らない制服で、
男の方は顎に薄く髭が生えていて、
若くは無さそうだ。
大人な女性とはまた違うものを感じる。


「皆、危ない格好してんねぇ。,,,,9人だから、アブナインってか。」


気怠げな男が皆を見回して言う。
それに答えるように、
9人に向かい、最初の召集がかかった。


「よくぞ言った!!!ジジィ!!!」

「まだ35だよ。ってか、誰だよ。」


作者メッセージ

パジャマで外でるのって気持ちいいよね。

2025/03/26 11:24

cabos
ID:≫ 6.lyzH1hcYkF.
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はcabosさんに帰属します

TOP