「魔王様、異世界に着きました。」
「お風呂が沸きましたみたいに言わないで。」
「とりあえず魔王様には、魔性閣に行き、魔王を証明していただきます。」
「とりあえずて。,,,証明なんているの?」
「もちろん。」
昨日の夜。
私は隣のイケメン君、シュンに、
魔王の称号を与えられた。
初っ端、今日朝っぱらから勇者に襲われ、
シュンと異世界へ飛んだ。
「昨日お見せした魔王認定証を魔性閣に届けて初めて、お前、魔王。となります。」
「え?認定証?持ってきて――」
「ます。」
シュンが片手を広げるとあの時の認定証がぱっと現れた。
くしゃくしゃなまま。
「私の部屋にあったはず,,,」
真夜中だったのであの変な呪文を教えてもらってから、
貰った認定証を適当に置き、すぐ寝てしまった。
「取りに帰るのが面倒なので。あれから取りに戻ってました。」
「寝顔見た?」
「,,,なんか、イビキがね。なかった。」
「そこ!?」
なんて素朴なやつなんだ。
てっきり寝顔の感想を言うのかと思ったら。
「で、魔性閣って何?」
「魔王の全てを統べる、魔王の内閣です。」
「ふーん。」
「今から行きますよ?」
「え?」
「あっちに街が見えるでしょう。あの方角をずっと行けば、いずれあの街よりも何十倍も大きなお城があります。そこが魔性閣です。」
「え??」
「では、私は魔王申請の手続きの続きに戻りますね。」
「ちょま、」
「何かあればあの呪文を。」
そう言ってシュンはまた空気に溶けていく。
「最後に、その魔法なんて言うのか教えてよ。」
「,,,これ?これは,,,[漢字]超融解亜空間完全魔法[/漢字][ふりがな]ハイインキャーレ・ディゾルブ[/ふりがな]です。」
「何かムズそう。」
「現代に通じまくる高度魔法なので――」
シュンは言い切る前に空気になっていった。
ハイインキャーレ・ディゾルブ。
「はぁ〜。」
一人になった私は深いため息をつく。
辺りは晴れていて、そよ風が気持ちいい。
揺れるたくさんの草草がきれいだ。
「とりあえず、行くか。」
シュンに言われた通り、歩き出す。
私は魔王で、ここは異世界。
まだ昨日の夜から頭は固まったまま。
実感が全くない。
これからどうなるんだろう。
―頑張れ、魔王。
―それゆけ、魔王。
次回に続く。
「お風呂が沸きましたみたいに言わないで。」
「とりあえず魔王様には、魔性閣に行き、魔王を証明していただきます。」
「とりあえずて。,,,証明なんているの?」
「もちろん。」
昨日の夜。
私は隣のイケメン君、シュンに、
魔王の称号を与えられた。
初っ端、今日朝っぱらから勇者に襲われ、
シュンと異世界へ飛んだ。
「昨日お見せした魔王認定証を魔性閣に届けて初めて、お前、魔王。となります。」
「え?認定証?持ってきて――」
「ます。」
シュンが片手を広げるとあの時の認定証がぱっと現れた。
くしゃくしゃなまま。
「私の部屋にあったはず,,,」
真夜中だったのであの変な呪文を教えてもらってから、
貰った認定証を適当に置き、すぐ寝てしまった。
「取りに帰るのが面倒なので。あれから取りに戻ってました。」
「寝顔見た?」
「,,,なんか、イビキがね。なかった。」
「そこ!?」
なんて素朴なやつなんだ。
てっきり寝顔の感想を言うのかと思ったら。
「で、魔性閣って何?」
「魔王の全てを統べる、魔王の内閣です。」
「ふーん。」
「今から行きますよ?」
「え?」
「あっちに街が見えるでしょう。あの方角をずっと行けば、いずれあの街よりも何十倍も大きなお城があります。そこが魔性閣です。」
「え??」
「では、私は魔王申請の手続きの続きに戻りますね。」
「ちょま、」
「何かあればあの呪文を。」
そう言ってシュンはまた空気に溶けていく。
「最後に、その魔法なんて言うのか教えてよ。」
「,,,これ?これは,,,[漢字]超融解亜空間完全魔法[/漢字][ふりがな]ハイインキャーレ・ディゾルブ[/ふりがな]です。」
「何かムズそう。」
「現代に通じまくる高度魔法なので――」
シュンは言い切る前に空気になっていった。
ハイインキャーレ・ディゾルブ。
「はぁ〜。」
一人になった私は深いため息をつく。
辺りは晴れていて、そよ風が気持ちいい。
揺れるたくさんの草草がきれいだ。
「とりあえず、行くか。」
シュンに言われた通り、歩き出す。
私は魔王で、ここは異世界。
まだ昨日の夜から頭は固まったまま。
実感が全くない。
これからどうなるんだろう。
―頑張れ、魔王。
―それゆけ、魔王。
次回に続く。