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白い天使は黒く笑う。

#8

第八章 偽の正義

優は涼真を呼び出す。


旧校舎の階段裏。
雨の音が、すべてを覆い隠す。

「ねえ、涼真くん。
 あなたが私を助けてくれてたら、私は人間のままでいられたかもしれない」

涼真は苦しげに言う。

「……俺だって怖かった。何かしたら、次は俺がいじめられるって思って……」

「ああ、じゃあ“怖かったから他人を殺した”って言っても許される世界なんだね」

優の目が、まるで刃物のように光った。

「安心して。“死なせたり”なんて、もうしないよ。
 でも、“壊す”のは好きなの。だから――やるね?」

優が微笑む。

次の朝。
涼真のスマホには、彼の「偽善行為」を暴く動画がSNS上で拡散されていた。

ボランティア中の裏で女子生徒をからかっていた音声

優がいじめられていたときに、笑っていたカメラ映像

「正義」を語りながら見て見ぬふりをした記録

炎上。
フォロワー激減。
生徒会を辞任。
推薦も取り消し。

涼真は、崩れた。
「良い人」として生きる土台を、優がひとつ残らず潰した。


優は帰り道、雨の中で傘を差しながら、微笑んだ。

「“傍観”は、ただの沈黙じゃない。
 それは“加害”と同じだって、証明しなきゃ」

彼女のノートには、新たな名前が書かれていた。

「小野寺 つかさ」
──当時の担任教師。
優のいじめを“なかったこと”にした、笑顔の仮面をかぶった大人。

次の標的は、大人だ。


2025/06/18 13:45

白柴ふぐり
ID:≫ 1sZDtXyYeEjjg
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この小説につけられたタグ

暴力表現グロ表現アリ 復習 いじめ

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