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白い天使は黒く笑う。

#6

第六章 壊れた愛の果て。

優はノートに次に「梅空ミサ」と書くと、ニヤリと笑みを浮かべた。
優は知っていた。
ミサは、自分を“可愛い”と思ってもらえなければ、生きていけない。

・常に誰かに「見てほしい」
・「可愛い」を否定されるとパニック
・強い子に媚び、弱い子を笑う
・けど、実はものすごく不安定

だから優は考えた。

「“愛してる”って言って、
 その愛を信じきった瞬間に引きちぎれば、ミサは死んだも同然になる」


優は、ある日突然、ミサに話しかけた。

「…ミサちゃん、最近元気ないね。大丈夫?」

それは、あまりにも優しい声だった。
いじめられていたはずの子が、笑ってる。

ミサは混乱する。
でも、優は毎日、少しずつ近づいてくる。

・机にこっそり飴を置く
・ミサのノートを褒める

「私、ミサちゃんのメイク、好きかも」と呟く。

ミサの中の“承認欲求”が満たされていく。

「……優ってさ、意外と優しいんだね」


優はタイミングを狙って、“秘密のグループチャット”にミサを招待する。
その中には、ミサを褒めるメッセージが大量に。

「ミサちゃんのぶりっ子、マジ最強!」
「天然で可愛すぎ」
「森本よりミサの方がよくね?」

※ 全部優の複数アカウントによる自演。

ミサは自分が**“選ばれてる”**と信じ始める。
萌樹より自分の方が「上」なんじゃないかと錯覚しはじめる。

「ねえ、優…私、あんたのこと、好きかも」

優は、笑った。



その日の夜、ミサのスマホに謎の動画が届く。

それは――
優が笑いながら、スマホを操作し、“チャットを自作してる様子”。

映像にはこう書かれていた。

「ミサが簡単に信じるから楽しいw」
「あいつ、萌樹と同じくらいのゴミだねw」
「次はどこまで壊れるかな〜?」

ミサは叫んだ。

「違う!!!嘘だよね!?ちがっ、あれは私の味方だったはずでしょ!?」

だが、優はもう翌日には学校に来ていなかった。
机の上には一通の手紙。

優からの手紙にはこう書いてあった。

「ミサちゃん、“好き”って言ってくれてありがとう。
 その瞬間の君、すっごくかわいかったよ。
 ――だから、殺したくなっちゃった。」

「安心して。私は、あんたのことちゃんと見てたよ。
 あのとき、私が泣いてたときに笑ってた顔。
 忘れてないから。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


以降、ミサのまわりでは「異変」が連発。

教室にミサの“痛々しいぶりっ子動画”が拡散された。

モノマネ、上目遣い、萌樹の名前を褒めまくる音声も流れた。

生徒たちから「キモい」「こいつもヤバかったんだ」と囁かれるようになり、ミサが震えだした。

萌樹からも絶縁される。

「ミサって、優とつるんでたんでしょ!?裏切り者、マジ終わってるから!私が孤立していじめられているとき、
助けなかったくせに!どうせ、自分もいじめられるのが怖いから、逃げたんでしょ?そうでしょ!?」

「ちっ、違うよ、、、!!!そんなわけない!なんでそんなに被害妄想ばかりするの!?
うざいんですけど!?」 

ミサは言い張ったが、萌樹は信じず、離れていった。

ミサは孤立する。
でも、優はもう学校にいない。
「戻ってきて」と願っても、返事はない。


夜。
誰もいない教室。
ミサは、幻聴を聞く。

「ミサちゃん、かわいいね」
「私のこと好きでいて」
「ねえ、今も好き?」

その声に、ミサは泣きながら答える。

「好きだよ……優……お願い、もう一度だけ……もう一回だけ、私を見て……」

机の中に、最後の“贈り物”が入っていた。

小さな箱。

中には――

鏡の破片と、ミサの幼少期の写真
そして、裏にはこう書かれていた。

「あなたの本当の顔は、“自分を愛せない”子供のまま。
 私が見せてあげただけ。ね、ミサちゃん?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数日後、ミサは校舎の鏡をすべて割ってまわった。

自分の顔が「偽物」に見えるようになったから。

誰かに「かわいい」と言われても、信じられなくなった。

「全部嘘でしょ。また私を信じさせて、笑うんでしょ……!?」

精神科に通い始め、対人恐怖を発症。
最終的には、教室にすら入れなくなった。

優は言った。
「ミサちゃん、私は今でも“本物の愛”をあげたと思ってる。
 だって、“私と一緒にいた”って記憶が、
 一生ミサを苦しめるから。」

2025/06/18 13:43

白柴ふぐり
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暴力表現グロ表現アリ 復習 いじめ

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