放課後、萌樹の机の上に一冊のノートが置いてあった。
そこには、こう書かれていた。
📖 『本当の私:森本萌樹』
「私は自分が可愛いと思ってる。でもみんなにはバレてないと思ってる」
「ミサを使うのは楽しい。あの子は私がいないと生きていけないから」
「優? あの子、最初から“使い捨て”だったよ」
全て、萌樹の筆跡で書かれている。
(実際は優が徹底的に筆跡を練習して偽造)
クラスメイトがページをめくる。
誰も笑わない。
ただ、冷たい目で見つめるだけ。
萌樹は叫ぶ。
「違う!これは私じゃない!!」
でも、もう遅い。
誰も、信じない。
萌樹の“人格”そのものが、全員の中で崩れ落ちていった。
崩壊の果て、
萌樹は笑うことをやめた。
言葉を選べなくなった。
“自分が何者だったか”を忘れ始めた。
数週間後、彼女は保健室で静かにこう言った。
「私、今日…ちゃんとした顔、してる?
なんか、自分が自分に見えないの…」
保健の先生は答えなかった。
彼女の顔は、もう完全に“優の刻んだ地獄”になっていた。
優はつぶやいた。
「あんたの“本当の顔”は、あのとき私を踏みつけたときに見せた顔。――だから私は、それを、世界に見せてあげただけだよ。」