「え〜優ちゃんって、ほんと空気よねぇ♪ いる意味あるのかな〜?」
「ほら見て見て〜優ちゃん、またノートに落書きされてる〜!や〜だぁ、誰の仕業〜?」
そんな言葉をきいて優、、。伊自良優(いじら ゆう)はギリッと歯をならした。
教室で繰り広げられる“笑顔の暴力”。
森本萌樹と梅空ミサは、自分たちのかわいさを武器に、周囲を味方につけ、優を孤立させていく。
教師でさえも、彼女たちのぶりっ子演技に騙され、優の訴えを信じようとしない。
誰も助けてくれなかった。そんな日常が優の人生を黒くそして破っていった。
優が地獄を味わったのは、中学2年の春。
何もしていない。ただ目立たなかっただけ。
それが、森本萌樹と梅空ミサの「ターゲット」にされるには十分だったのだ。
優の青春なんてこの世にはもう存在しなかった。
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「今日の優ちゃんの服、え〜〜? それで来ちゃったのぉ?どこのババァの借りたの?笑」
「先生〜、優ちゃんがまた“気配”だけで気持ち悪いで〜す♡」
今日もいつもと同じようにミサと萌樹に罵倒の声を浴びせられた。
教室に笑いが起きるたび、それが自分を指しているのが分かる。
机の上には意味不明な落書き。「死ね」「ブス」「消えろ」「生ゴミ」。
机を開けると中に猫のフード。
「優ちゃんって猫っぽくない? でも、野良猫っぽいよね、汚い感じ〜♡」
ミサがあざわらう。
「ええ〜っ猫が可愛そう〜〜っ♡」
萌樹はくすくすと笑う。
これが毎日。これが普通。優は視線に耐えきれなくなり、教室を飛び出した。
トイレの個室に入って一人で声もなく、泣いた。
(なんで、、!なんで私が、、?なにも悪いことなんて、、してないのにっ!!!)
優は心のなかで叫び続けた。