[中央寄せ]🥄[/中央寄せ]
チャイムが鳴って、学校が終わった。
むつは部活には行かずに、まっすぐ家に帰った。
むつの家は誰よりも学校から距離があるところにあって、登下校は絶対に誰とも一緒には、なれない。
友達と登下校したことなんか、無かった。
学生みたいな人を発見して、でもその人の顔を見れなかった[漢字]あの日[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]からは、もう一週間が経っていた。
もう秋になってきていた。もう9月も間近である。
ヒュウううううううううう............
一週間前のあの日吹いた木枯らしににた風が、むつの長い髪を揺らした。
あの学生にまた会いたい...................ッ
「おい、女」
あのときと同じように声が聞こえた。むつは泣きそうになった。これは幻覚。幻覚なんだ................
「おい、女」
さっきより、はっきり聞こえた。
むつはハッとして、顔を上げた。公園に、誰かいたのだ。
「が、学生さん.............?」
むつはぼそっと呟いた。
ちょっと長めの髪。ゴツゴツした体つき。肌がところどころ露出していて、ジャングルにいる猿みたいなカンジだった。
...............間違いない。あの学生さん。
「..............会えたら良いなって思ってた」
むつと学生の声が重なった。