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3日間の夏祭りは終了し、休息期間が始まった。
希花や瀬見川をはじめ、むつの友達や先輩は、次々と遠くへ遊びに行く。今日もむつは、LINEグループで、テーマーパークでの集合写真が送られてきているのを見た。むつはため息を付き、スマホの電源を切る。
「むつ〜、遊びにでも行ったらどうなの?」
母親の声にも耳を傾けずに、むつは、無言のまま、外に出た。
ドアを開けると、いつにもまして蒸し暑い空気がむつを襲った。むつはいつの間にか、外に出るときは首にタオルをまくクセがついていた。
底がほとんどない、安っぽいスニーカーに、熱々になったコンクリートの地面があたる。むつは、そのままある空き地へと向かった。
たっ、たっ たっ たっ たっ たっ
走っていると、後ろからもう一つ足早に駆ける音が聞こえた。
自分の足音と重なって、メロディのように音楽絵を奏でる。
たっ たっ たっ たっ たっ
だっだっだっだっだっ
だっだったったっ
たったっだっだっ
むつは流石に怖くなり、住宅街につながる道の角をカーブした。
すると、もう一つの足音も、むつを追いかけて角を曲がるではないか!!
むつは振り向いた。追いかけてくるそのモノの姿を見た。
!!
むつは、まぶたが張り裂けそうなほど、目を大きく見開いた。
そして、叫んだ。
[大文字][太字]「、ストーカァァあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!」[/太字][/大文字]
その声は思いのほか住宅街には響かず、近所迷惑にはならなかった―――が、むつにとって、住宅街に声が響かなかったのは、恐怖でしかなかった。
だって、ストーカーは、まだむつのことを追いかけているのだから!
「やめて!やめてっ」
むつは叫んだが、ストーカーはむつを追いかけることをやめない。
むつはストーカーに口を塞がれ、手足を抑えられてしまった。
ストーカーの顔が、近づいてくる。ストーカーの手が、むつの首を締め付ける―――
むつは、意識が遠のいていく―――
瞬間。
音がして、むつの意識が戻った。むつは身体を起き上がらせた。すると、横たわったストーカーが、男に殴らていた。
「うごっ。うごっ.......」
ストーカーは拳を腹に受け、ばたっと倒れ、気を失った。
「あ、あ、..........」
むつは、目を疑った。